ベクトルをそろえる
↓
ベクトルをそろえる
人間は、個として生まれ、自由に生きているのですから、
いろいろな発想をする人があってもいいと思います。
組織においても、各人が全く自由な発想のもとに行動し、
それでいて調和がとれているというのが、最高の姿だと思います。
しかし、私の経験からすれば、これは理想であって、
実際のところは力がそろわず、決してうまくいくことはありません。
歴史を見ても、勝手な連中が集まって長く栄えた集団はありません。
集団を構成する、個々の人々の志向が分散してしまい、
大きな力を発揮し続けることができないからです。
そのため、つねに集団のベクトルをそろえておく必要があるのです。
ベクトルをそろえるとは、考え方を共有していこうということです。
人間として考え行動していくための、最もベーシックな哲学をともにし、
それを座標軸に、各人が持てる個性を存分に発揮していこうということなのです。
同好サークルならば、自由な発想と個性の発揮だけでいいでしょう。
しかし、目的を持った集団(会社)であれば、価値観を共有してはじめて、
達成への永続的、集中的な取組みが可能となるのです。
稲盛和夫
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ベクトルをそろえる、とは同じ考え方をするということ
この、考え方を同じにするというのは簡単なようでとても難しい
同じ考え方をしましょう、と言えば
人の考え方まで強制するとは何事だ、と言う人がいます
私が何を考えようが自由ではないかとみな思うのです
しかし、そうではないということです
飛行機会社やホテルでよく経験する例があります
夏休みなのだから買ってくれる人はたくさんいる
いつもの2倍でも売れるのだから、買ってくれる人がいるのなら
3倍の値段で売っていいではないか、という考え方もあれば
いやそうではない、そんなことをして人の足元を見るような商売をすれば
いつかはしっぺ返しがくる、お客様が買いやすい値段にしよう、
という考え方もあります
その考え方をあわせ、ベクトルをそろえておかないと
ある人は2万円と言い、ある人は3万円ということが起こるのです
おいちょっと待て、みんな集まれ、話を聞こう・・・などと
毎回、話し合ってばかりいては集団の力がそがれてしまうのです
働く人はバカらしい時間だと思いますし
お客様は不信感をもつことになるわけです
そういったことが無いようにするためにも
ベクトルをそろえることが大切になるのです
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−