知識労働者とは
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知識労働者とは、医師、弁護士、教師、会計士、化学エンジニアなど、高度の教育と知識をもつ一部の人たちを指すにとどまっていた。
だがこれからは、コンピュータ技術者、ソフトウェア設計者、臨床検査技師、製造テクノロジスト、弁護士補助員など、膨大な数のテクノロジストが必要となる。
彼らは、知識労働者でありながら体を使う。頭よりも、むしろ手を使う時間のほうが長い。
知識が技能をなくすことはない。
逆に知識は技能の基盤となりつつある。
高度の技能を身につけるには、ますます多くの知識が必要となっている。
しかも、知識は技能の基盤として使うとき、はじめて生産的となる。
脳内動脈癒の切除手術の前には、高度の知識を使って診断を行なう。
手術自体は手を使って行なう。それは迅速性、正確性、等質性が要求される反復的な動作である。
しかも、体を使う他の仕事と同じように分析し、体系化し、質を高めることができる。
・知識労働者とは
たとえフルタイムの従業員であっても、誰かの部下として働く者は少なくなりつつある。
今日ますます多くなっているのが知識労働者である。誰かの部下ということはありえない。
同僚である。見習い期間をすぎれば、自らの仕事については上司より詳しくなければならない。
さもなければ無用の存在となる。
誰よりも詳しいことこそ、知識労働者の知識労働者たるゆえんである。
・知識労働者とは
動機づけ、特に知識労働者の動機づけは、ボランティアの動機づけと同じである。
ボランティアは、まさに報酬を手にしないがゆえに、仕事そのものから満足を得なければならない。
挑戦の機会が与えられなければならない。
組織の使命を知り、それを最高のものとし、献身できなければならない。
よりよい仕事のための訓練を受けられなければならない。
成果を理解できなければならない。
・知識労働者とは
知識労働者が成果を上げている組織では、トップマネジメントが定期的に時間を割き、
ときには新入社員に対してまで、
あなたの仕事について私は何を知らなければならないか?
この組織について何か気になる事はないか?
我々が手をつけていない機会はどこにあるか?
気づいていない危険はどこにあるか?
この組織について私に聞きたい事は何か?
とじっくり聞いている
知識労働者とは
P・F・ドラッカー