「ひとつのことに打ち込む」稲盛和夫
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■「ひとつのことに打ち込む」稲盛和夫
私は、ひとつのことに打ち込んで、それを究(きわ)めることによってはじめて真理に達することができ、森羅万象(しんらばんしょう)を理解することができると思います。
たとえば、長年仕事に打ち込み、素晴らしい技術を修得した大工さんなどに人生について聞くと、素晴らしい話をされます。
また、修行をし、人格を磨いてきたお坊さんは、異分野の話をしても素晴らしい真理をとかれます。その他にも作家、芸術家など一芸を究めた人の話には、非常に含蓄(がんちく)があります。
学校を出たばかりの若い人は、会社に入って地味な仕事ばかり続くと、「こんなことばかりしていていいのだろうか」と不安に思い、
「他の仕事をやらせてほしい」と言い出します。
しかし、それは違うのです。
広く浅く知ることは、何も知らないことと同じなのです。
深くひとつのことを探求することによって、すべてのことに通じていくのです。
それは、すべてのものの奥深くに、それらを共通に律している真理があるからだと思います。
ひとつのことを究めることは、すべてを知ることになるということを忘れてはなりません。
ひとつのことに打ち込む、とはランチェスター戦略の一点集中!
キリのようにひとつのことに一点集中すれば、深まります
深めれば広がる
ひとつのことを極めれば、真理と出会います
広げるとうまく行く気がしますが、実は反対で
広げるとうまくいかないのです