「教える」松下幸之助
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■「教える」松下幸之助
人間は偉いものである。
たいしたものである。
動物ではとてもできないことを考え出して、思想も生み出せば物もつくり出す。
まさに万物の王者である。
しかしその偉い人間も、生まれ落ちたままにほうっておいて、
人間としての何の導きも与えなかったならば、やっぱり野獣に等しい暮らししかできないかもしれない。
古来どんなにすぐれた賢者でも、その幼いころには、やはり父母や先輩の教えを受け、導きを受けてきた。
その上に立っての賢者であって、これらの教え導きがなかったら、せっかくの賢者の素質も泥に埋もれたままであったろう。
教えずしては、何ものも生まれてはこないのである。
教えるということは、後輩に対する先輩の、人間としての大事な務めなのである。
その大事な務めを、お互いに毅然とした態度で、人間としての深い愛情と熱意をもって果たしているかどうか。
教えることに、もっと熱意をもちたい。
そして、教えられることに、もっと謙虚でありたい。
教えずしては、何ものも生まれてはこないのである。
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上に立つものは下に教えることが大切であり
下の者は謙虚に学ぶことが大切である
また、上の者にとっては
教えることが学ぶことになるのである
教えることこそが最大の学びの機会なのである
学ぼうと思えば、教えることである