「浅ましい考えを捨てる」鍵山秀三郎
・
ホテルや旅館を利用するとき、常備してある備品はほとんど使わないように心がけています。
理由は、一回使っただけでゴミになったり、そのたびに洗濯をしなければならないからです。
結果において、資源が無駄になり、ゴミが増えるだけだからです。
出張でホテルや旅館を利用するときは、自分の使用する洗面具をいつも持ち歩き、
持参したものを使っています。
気遣っているのは、備品だけではありません。
使用したシーツも、同じ部屋に連泊するときは
「この部屋は今日も使いますので、シーツは取り替えなくても結構です」
と紙に書いて外出するようにしています。
この話を講演会で披露したときのことです。
私の話を感心しながら聞いていた中年の男性から、
講演会後の懇親会で誇らしげにいわれたことがあります。
「私もホテルの備品は一切使っていません」。
その代わり「もったいないからすべて持ち帰って、自宅に溜めています」。
そのときばかりは、会場で周囲の人たちと大爆笑しました。
確かに、料金のなかには、石鹸やシャンプーやカミソリ等の代金も含まれています。
だからといって「全部使わなければ損だ」という発想は、浅ましい考えだと思います。
むしろ、そうしたものは使わずに全部残しておく。
与えられたものを使い尽くさない、という考えのほうが心豊かになれるものです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
無料の味噌汁だからと何杯もおかわりする
1時間使えるから5分くらいオーバーしてもいいだろう、という人と
全部もらえるけれど少しだけにする
1時間使えるけれど10分前に終わりにする、という人とでは
人生の後半に大きな差が出る
雲泥の差ができる、と思うのです
自分だけよければいいという人生と
人のために少しでも自分の時間を使うという人生
いまだけ、ここだけ、自分だけが得をする人生と
いつでも、どこでも、あなたにも良かれと思う人生の違いです
どちらを選ぶかは自分自身の選択です
これこそが、経営理念であり、その人の人生理念となるわけです
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−