ランチェスター戦略 ナンバーワン事例
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■ジョブズもIphoneもランチェスター
Iphone、そしてIphoneを創造したスティーブジョブズこそランチェスターです。
アップルが1998年に出したメッセージは、“Think Different.”(シンクディファレント)「何か違うことをしよう!」。その時、マーチン・ルーサー・キング牧師やモハメド・アリなど「世界を変えた人物」を広告に登場させました。
人と同じではなく違うことをする。徹底した差別化をする。ディス・イズ・ランチェスターです。
その思想の結果がIphoneであり、Ipodであり、Ipadです。
“Think Different.”(シンクディファレント)=差別化=ランチェスター戦略といってもいいかもしれません。その「考え方」こそが戦略なのです。
パソコン事業で負けた弱者が差別化で勝ち上がってきた実例といえます。また、Iphoneは、キーボードをなくして(引き算)画面を広く使いやすくし、電話とIpodとweb検索の3つの機能をあわせ(足し算)て、付加価値を高めています。
■GEの有名なあの戦略もランチェスターだった!
競争社会ではNO1でなければ生き残れません。
ドラッカーからのアドバイスをもらって、GEのジャックウェルチは、
「1位か2位になれる事業しかやらない」
それ以外はやめる、という選択をします。
つまり、ランチェスター戦略の一番の根幹となるNO1主義です。結果はご存じのとおり、急激な成長となりました。
何を隠そうGEの戦略は、ランチェスター戦略なのです。
NO1のメリットは、NO1だと認知されブランドができ、指名買いされる、価格決定権ができて利益が出る、地位が安定するなどがあります。
逆にNO1でないと、認知されないので商品名も忘れられる、価格は販売店、エンドユーザーのいいなりで利益が出ない、地位が安定しないとなります。
だって、日本一の山は富士山と知っていても、日本で2位の山はふつう知りませんよね。
■松井証券は証券業界のランチェスター
証券業界でランチェスター戦略で成功しているのは、松井証券です。
いわゆる一般的な中堅の証券会社だった松井証券は、インターネット専業の証券会社として初めて一部上場します。他の証券会社と同じことをしていたら不可能だったでしょう。
業界の風雲児と言われる松井道夫社長の著書『みんなが西向きゃ俺は東』のタイトル通り、経営では、人と違うことをする戦略のオンパレード。
インターネット取引だけに特化し、営業マンは持たない。個人取引だけに特化し、法人顧客には対応しない。
手数料体系は「ボックスレート」(一日定額手数料)だけを業界で初めて導入し、一日の取引金額が多いアクティブな投資家を対象としました。
「自分たちが損をすることを考えろ」との発想から商品開発をする会社ですが、経常利益率は約40%以上と業界トップクラスを維持しています。人と同じことをしていたら、上場もしていないし、今のような好業績ではなかったはずです。