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ランチェスター戦略方程式の重要な比率は2:1

ランチェスター戦略方程式の重要な比率は2:1

第二次大戦時に作られたランチェスター戦略方程式のポイントは、ランチェスター法則の武器効率(質)の部分にあたる戦闘力を「戦略力」と「戦術力」に分けたことです。

「戦略」とは目に見えないもの、全体計画であり、「戦術」とは目に見えるもの、具体的な武器、作業のことです。そして、最小の損害量で最大の成果をあげるためには、

戦略力:戦術力=2:1

が最適であると結論づけました。戦略の比率は戦術の比率の倍なので、どんなにいい戦術(武器)を持っていても、戦略が間違っていると成果が上がらないということになります。たとえば、釣りをする時に、どんなにいい竿(武器)を持っていても、計画(=戦略)を間違えて魚のいない場所(時間)を選べば魚が釣れないのと同じです。

この戦争で使われた考え方をビジネスに活かし、市場競争力の視点から、「市場占拠率(シェア)の目標数値の設定」という考え方が生まれたのです。

■ 市場占拠率の目安は73・9%、41・7%、26・1%の3パターン

前述のランチェスター戦略方程式から市場占拠率が導きだされます。

その中で、ポイントとなる3つの数字がこれです。

1. 73・9%=上限目標値=圧倒的NO1、2位が逆転不可能なシェア

2. 41・7%=安定目標値=ほぼ一人勝ち、ホンモノのNO1の目標値

3. 26・1%=下限目標値=強者の最低条件、当面のNO1目標値

この3つの数字を正確に覚えるのは大変なので、カンタンに覚える方法があります。

それは、①が3/4の約75%、②が40%、③が1/4の25%と大ざっぱに覚えることです。イメージでいうと、①が時計の3時、②が時計の5時、③が時計の9時となります。

つまり、シェアを円グラフで書くと、はじめの目標は時計の3時=25%、次の目標が時計の5時=40%、最後の目標が時計の9時=75%と覚えておいてください。

まずは、小さな市場、小さな商品など小さなところから積み上げていってください。

■ 射程距離=3:1の原則は、逆転が困難な比率

ランチェスター戦略の重要な考え方の一つに、この射程距離理論があります。

前ページの時計をもう一度見てください。1位が①73・9%(上限目標値)と圧倒的NO1になると、2位は③26・1%(下限目標値)までしかシェアが取れません。時計でいうと、1位が9時(3/4)までシェアをとると、2位は3時(1/4)までしか取れない。この比率が3:1となる。だから相手との力の差が3:1になると逆転は困難であるということを表しています。

射程距離理論は、ランチェスター法則の2つの場合と同じく局地戦と広域戦があり、

1局地戦=狭い範囲(エリア)、単品、小さい市場でのシェアでは【3倍】

2広域戦=広い範囲(エリア)、全商品、全国市場でのシェアでは【1・7倍】

が適用されます(広域では二乗法則が適用されるのでルート3=1・7となります)。

局地戦では3倍と覚えておくといいと思います。

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