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ドラッカーは、ランチェスター戦略そのもの

ドラッカーは、ランチェスター戦略そのもの

 

「成果をあげるための秘訣を一つだけあげるならば、それは集中である。成果をあげる人は最も重要なことから始め、しかも一度に一つのことしかしない」(ドラッカー)

 

ドラッカーの本を読むと、これこそランチェスター戦略そのものだ、という言葉に出会います。この言葉もその中の一つです。この言葉はつまり、一点集中せよ、それが成果をあげる秘訣なのだと言っているのです。

 

そして、最も重要なことから一点集中せよ、他の重要でないことはやらないこと、ということです。さらに、一つのことに一点集中せよ、2つも3つも同時にするなということを言っています。つまり、どこに一点集中するか、どう一点集中するのかについて言っているのです。

成果をあげる人は一点集中する。逆にいえば、一点集中する人が成果をあげるということです。機会に対して、意識を一点集中させることこそが成果を生むのです。

 

■兵力は分散しない

 

兵力は分散して投入してはいけません。一点集中せずに力を注ぐことは、負けを意味します。例えば、兵力数が600のA軍と、300のB軍が戦えば、兵力数の多いA軍が勝ちます。しかし、A軍が100の兵力数を6回に分けて投入すると、B軍が勝ちます。

 

理由は、1回目の戦いでは、A軍100:B軍300とB軍の方が兵力数が多くなるからです。その戦いを6回繰り返すと、A軍は普通にやれば勝てた戦いでも負けることになるわけです。つまり、自分の力を分散して使ったがために、勝てる相手に勝てなかったことになります。

 

これは、ビジネスにも個人の人生にも当てはまります。たとえ才能のある人でも、自分の才能をあれにもこれにも使えば、どれもモノにならない人生になるのです。浮気心を持って、ふわふわと浮草のようにあてどなく、なんとなく気の向いたものをやる人生です。しかし一方で、才能は劣っているとしても、一つの仕事に一点集中してやり続けることで、人生が開花する人を見ると、同じ人生でもやり方によって全く別のものになると実感します。

 

■ハーゲンダッツはランチェスターで勝ち組に!

 

市場全体があまり伸びない中で、どのようにして生き残ればいいのかの模範解答、つまり優良ケーススタディがハーゲンダッツです。たとえ縮小するアイスクリーム市場であっても、高級アイスクリームに特化して市場占有率約75%、ランチェスター戦略でいう一人勝ちの状態を維持しています。

 

アイスクリームは子どもの食べ物という領域から、ハーゲンダッツは大人の高級なアイスクリームという領域に特化しています。もともと、同業他社はアイスクリーム、チョコレート、ヨーグルトなど商品群の多角化をする中で、ハーゲンダッツはアイスクリームだけしかやらない。さらに商品は、200〜300円のプレミアムアイスだけ。でも、商品の種類は多品種をそろえる、というやり方です。

 

CMも高級感を出し、イメージつくりも万全です。ちょっと高いのですが「200円ならまあいいか、たまにはね」と納得してもらいやすいのも、NO1だからです。


ランチェスターNo.1理論」坂上仁志(さかうえひとし)著 より