「一点集中すること」が最も成果を生む! ランチェスター戦略
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「一点集中すること」が最も成果を生む!
あれもこれもやろうとするからうまくいかないのです。
あれもこれもではなく、あれかこれかの方が、成果が出ます。すべてをやろうとせずに、絞り込んで選ぶことが大切です。
あれもこれもやる多才な人よりも、仮に才能があまりなくても、「これだけ」を選びやり続けた人の方が、最終的には素晴らしい成果が出るようです。そして、その人に才能があればなおさらです。
その理由が一点集中なのです。
才能、機会、時間などのもてる資源を小さく絞り込んだところに一点集中させることです。
力を分散せずに大切なことに全てを一点集中することが最も成果を生むのです。
例えば、タイガーウッズはゴルフ、メッシはサッカー一筋に生きています。
この「〜一筋」「〜だけ」という表現こそが一点集中です。
この人からこれをとったらゼロ、何も残らないという生き方です。
毎日、それしか考えない、そのことで頭が一杯、毎日それしかしていないという人が、あれもこれもやっている人に負けるわけがないのです。
■一点集中する方法【その1 細分化せよ】
物事を漠然ととらえたままだと一点集中できません。
一点集中するには細分化することです。
例えば、「あなたはどこのお客様に販売しますか?」と聞いた時に、「日本全国たくさんです」と答えているうちはあまりうまくゆかないのです。漠然としすぎているからです。
そうではなくて、「関東中心、それも神奈川県、なかでも横浜を中心にやります!」という絞り込みが大切なのです。
これはエリアを細分化して、そこに一点集中するということです。
イメージとしては田んぼの田の字を書く感じです。
一つの塊に線を入れて分解する、細分化すると覚えてください。細分化とは、細かく、分けると書きます。
細かく細かくしてゆくと、自分が人より勝てる領域が出てくるものです。
そこに持てる資源を一点集中するのです。
キリのように鋭く切り込む。
金づちで叩いても穴は開きませんが、細分化されたところをキリで力を込めると穴が開くのです。
■一点集中する方法【その2 いいことに一点集中】
いい場所、いい人、いいことに一点集中してくださいと言っています。
人はどうしても悪いところに目が行きがちです。
10人の組織なら、一番売っている人には目がいかずに、一番売れていない人に目が行きます。なんとなく気になる……。
しかし、成果を出す場合はそれではいけません。
一番売れている場所に一点集中し、一番売れている人に一点集中し、一番売れている商品に一点集中することです。
ここでいう売れている人とは、①販売をする人、②買ってくれる顧客の二つの意味があります。
つまり、経営資源である会社の人材の一番の強みを、販売先の一番の機会(チャンス)に一点集中させるという意味です。
一人の個人の場合なら、自分の一番の得意なこと、才能を、一番伸ばせる機会(環境、部署、得意先)に一番使うということです。
あなたの持っている一番高価なコインを、一番配当率の高い場所に賭けると、一番リターンが高くなると考えるとわかりやすいかもしれません。
■一点集中する方法【その3 やらない決断をする】
一点集中するとは「やらない決断をする」ことです。
10個ある選択肢の中から一つを選ぶこととは、9個をやらない決断をしたことになります。
テレビを見るとは、本を読まない決断をしたのです。
「どーしよーかなー」と思って、あとで決めようと先延ばしにしたのは、つまり、決めない決断をしたことになるのです。
無意識に無難な選択をすることは、結果的に何も得ない、成果につながらないことが多いのです。
だから、意識してAをやる=Bをやらない決断をすることが大切です。その決断によってはじめて一点集中ができるのです。
しかし、これがとても難しい。やらない決断ほど難しいものはない、といってもいいくらい難しいものです。
〜はやらない、〜はやらない、〜はやらないと3つを決めてみてください。
〜はやらないと、明確に決まっている会社は、日本でも数少ないはずです。
でも、〜はやらないと決めている会社は、概して優良企業です。成果が出ています。