顧客を絞り込む ランチェスター戦略
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■顧客を絞り込む【その1 もっとも重要な顧客はだれ?】
「最も重要な事柄が、最も些末な事柄の犠牲になってはならない」とは、ゲーテの言葉です。最も重要な顧客を最も大切にすべきですが、現実は多くの企業はそれができていません。
営業マンなら、過去1年の自分の顧客リストを作り、売上実績順に並べてください。
自分にとって最も重要な顧客はだれかを、数字で正確につかんでください。
「あなたにとっての上位20%の顧客は何社ですか?」
「ベスト3の顧客名を言ってください」と言われたら即座に答えられるようにしてください。
特にベスト3の顧客については売上金額、全体でのシェア(%)も答えられるようになるといいです。
そして、お客様にこう言ってほしいのです。「私にとって御社はとても重要なお客様です。長いおつきあいをしたいと思っています」こう話すことが差別化になります。
私はあなたを大切だと思う、そしてその思いを口に出して相手に伝えることは大切です。これは、重要なお客様に一点集中するからこそ、できることなのです。
■顧客を絞り込む【その2 やらない決断をする】
一点集中する=特化=やらない決断をする。これは言葉ではわかっているのですが、実際にやるとなると、とても難しいことの一つです。
例えば、建設業界のお客様に特化するといっても、建築だけではちょっと顧客数が少ない気がして土木もやる。
あと内装もあった、それに空調関係も足しておこうか、まあ電気配線関係も数あるしな、などと言ってあれもこれも足していってしまうものです。よくありますよね、そんなこと。
絞り込むとは足し算ではなく引き算です。これはやらない、これもやらないと引いてゆく、捨ててゆく作業なのです。
掃除をする時に、押し入れのものを捨てるのと同じ感覚です。もったいないな、いつか使う時が来るかな、なんて思わないことです。いつかなんて絶対来ませんから安心してください。
ぐずぐず考えていないで、スパッと気持ちよく決断してください。1000円のTシャツ一つ捨てられない人に、顧客の絞り込みはできません。あなたのことです、あなたの・・・。