プロとしての倫理 「知りながら害をなすな」P・F・ドラッカー
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「プロとしての倫理」P・F・ドラッカー
プロにとっての最大の責任は、
二五〇〇年前のギリシャの名医、ヒポクラテスの誓いのなかにはっきり示されている。
「知りながら害をなすな」である。
医者、弁護士、ビジネスマンのいずれであろうと、
顧客に対して必ずよい結果をもたらすとの保証を与えることはできない。
最善を尽くすことしかできない。
しかしながら、知りながら害をなすことはしないとの保証は与えなければならない。
顧客となる者が、プロたる者は知りながら害をなすことはないと信じられなければならない。
これを信じられなければ、何も信じられない。
したがって、「知りながら害をなすな」との言葉こそ、
プロとしての倫理の基本であり、社会的責任の基本である
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知りもしないのに、その場をつくろうとために、知っているという
やってもいないのに、やっているという
データを改ざんし、ありもしないデータを作り出す
出てもいない大学を出たという
自分の立場をよくするために、陰で人の悪口をいい、デマを流す
テニスなら、ボールがインとわかっているのにアウトという
個人の飲食を会社の領収書としてもらう
これらはすべて知りながら害をなしていること
こういった小さな一つ一つの積み重ねが
プロとしての倫理を失わせてゆく
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