「達人」松下幸之助
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ごく卑近な例ですが、筆で文字を書くという場合、
習い始めたばかりの初心者は、長い時間かけていろいろ苦心しても、
なかなかいい字が書けません。
しかし、書道の達人ともなれば、
白紙の上に瞬時にして、人が称賛するような字が書けます。
そこには、きわめて大きな力の相違があるわけです。
私たちが仕事の上で、いろいろとものを考案し、生産し、販売するにあたっても、
同じことがいえると思います。
瞬間に立派なものを考案し、瞬間に製造ができるということは、
その道の達人になってはじめてできることです。
できることはできるけれども、
そのために十日も二十日もかかるというようなことは、
ものによってはそういう場合もあるでしょうが、
決してほめられることではない。
それは、結局、未熟であることを示すものだと思います。
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仕事のできる人
達人を仕事のできる人と言い換えたなら
仕事のできる人は、初心者よりもより早く、より良い成果を出せる
初心者は、時間をかけて、本人は丁寧にやっているつもりでも
出来上がりの成果の質が悪い
同じ仕事でも、未熟な人がやる場合と
仕事のできる人がやる場合では出てくる成果が違ってくる
より短い時間で、より品質の高い結果を出すことは
書道と同じように、訓練によって可能になる
未熟さを脱するためには訓練が必要
しかし、それは
「やればできる」
という一つの希望ともいえる
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