「相対差」よりも「絶対差」 鍵山秀三郎
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「相対差」は周囲との比較。
「絶対差」は自分自身との闘いです。
「相対差」の世界で生きていますと、いつまでも心の安らぎは得られません。
いつ追い越されるかもしれない、
いつ失うかもしれないという不安と恐怖がつきまといます。
競争に勝つことだけが頭にこびりつき、
結果だけを追い求めるようになります。
「終わりよければ、すべてよし」という短絡的な考え方はなり、
途中の大切な過程を省(はぶ)くようになります。
途中を省き、結果だけを急ぎますと、
仕事そのものに誠意が感じられなくなります。
事実、結果を追うあまり、あの手この手を使い、
ついには犯罪まがいの経営をしている会社が多くあります。
そういう会社が、いまの世相を悪くしている大きな原因にもなっています。
誠意の伴わない事業は、一時期成長しても転落するのも早いものです。
一方、「絶対差」の世界は、過程を大事にする生き方です。
勝つとか負けるという世界ではありません。
争わない世界のことです。
結果に表れた数字はたとえ小さくても、
質では比較しようのない世界のことです。
数字では表しようのない世界といってもいいかもしれません。
人間なら人格、会社なら社風。
「絶対差」の世界で生きていますと、自信と満足が得られます。
私はいままで、この世界を追い求めてきました。
その具体的な実践が掃除です。
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競争に勝つだけの結果主義ではなく
争わない世界
他との比較の中だけで生きるのではない
比較をするのは昨日の自分
昨日の自分を超えることを誇りとする世界
結果主義ではなくプロセス主義が絶対差の世界
丁寧に質を追求する
答えを外に求めるのではなく
答えを内に求めてゆく
「相対差」よりも「絶対差」の世界にいると
心が落ち着く
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