「社員教育の要諦」鍵山秀三郎
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「社員教育の要諦」鍵山秀三郎
「教育とは流れる川の水に文字を書くが如く虚しいことである。
しかし、岩壁に文字を刻むが如くやり続けなければならない」
「どんな素晴らしい教えでも、相手が心を開かなければ伝わらない。
それは、伏せたコップの上から水を注いでいるのと同じである。
まずコップを上に向けさせることが大切だ」
いずれも、国民教育の師父として著名なる森信三先生の至言です。
私はこの言葉に出会ったとき、救われるような気持ちになりました。
あれだけ高名な森先生にしてもそうだったのかと知ったとき、
迷いがなくなり勇気が湧いてきました。
同時に、聞く耳を持たぬ社員にどんないい話をしても、
理解してもらえないばかりか反発を買うだけ。
教育の原点は、まず相手の心を開かせることだということにも気づきました。
もともと、私には社員を教育できるような特別な能力はありません。
言葉で説得したり文章で伝える才能がなかった私は、
自分自身の生き方と行動で社員を導くよりほかにありませんでした。
一年三百六十五日休みなく、先頭に立って仕事をしてきたことはもちろん。
それこそ、全身全霊を傾けて事業に打ち込んできました。
社員から気の毒がられるような社長の経営姿勢が伴ってこその、社員教育だと思います。
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