「日々損益計算書をつくる」稲盛和夫
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「日々損益計算書をつくる」稲盛和夫
経営を行うということは、大所高所に立ち、
局面でツボを押さえていくことで成り立つような、いわば名人芸ではありません。
もっと地道な日々の活動ではないかと考えています。
経営とは、日々の数字の集積です。
毎日の経費や売上の積み上げなくして、経営はできません。
つまり、月末の損益計算書を見て経営を行うのではないのです。
毎日のオペレーションの積み上げで、月次の損益計算書がつくられるのですから、
日々損益計算書をつくっているのだという実感を持って経営に当たるべきです。
もし、毎日のオペレーションの数字を見ないで経営を行うとするならば、
飛行機に乗って、その日一日計器を見ないで操縦をするということと同じです。
飛行機はどこへ飛んでいき、どこへ着陸するのか、わからなくなってしまいます。
同様に、日々の経営から目を離したら、目標とするものに到達できるわけがありません。
それでは経営にならないのです。
損益計算書は、全社員の毎日の生き様が累積した結果だと考えています。
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「日々損益計算書をつくる」
言葉ではわかるのですが、実際にやるのが難しいことです
例えば、みなさんは、ご自分の家のPLとBSを作ったことがありますか?
実は、私は起業する前のサラリーマンのときに、
税理士の人にお金を払ってわが家のPLとBSをつくりました
理由は二つありました
一つは、サラリーマンではあったのですが経営をする立場であったためです
PLとBSなど知りもしなかったのですが、必要に迫られて
毎月、会社のためにPLとBSを見ていました
つまり、会社の収支や財務の状況を見ていたからPLとBSへの理解があったからです
そして、もう一つの理由は
自分の家計がわかっていないと気づいたためです
会社のためにここまで時間を使ってやっているのに、自分自身のことはちっともやっていない
バカじゃなかろか・・・と
そして、家の近くの税理士を探し、年収やら貯金やらローンやら
全部見てもらって自分の実情を把握しました
ちょうど健康診断と同じ感覚で、お金の診断をした感じです
自分のお金の実力を知って、勇気をもって起業しました
でも、はじめは相当ビビりましたが・・・(笑)
それ以来、月次で決算をするのはもちろんのこと
ほぼ、毎週末、決算をしています
こうすることで、会社と自分の家計の数字をキチンと把握しています
安心を買っているようなものです
これも、稲盛さんのフィロソフィの影響です
小売業のように毎日の売上がある商売ではないので
「日々損益計算書をつくる」ところまではいっていませんが
「毎週、損益計算書をつくる」くらいまでならやっています
52週×12年=約600回になります
はじめは大変だったのですが、毎週やっていると、さほど苦ではなくなります
ちょうど、毎週、テニスをするのと同じ感覚です
とにかく、やること、続けることです
やればできる!
誰にでもできると保証します
カンタンです
されてみてください