社長から全社員に直接、メッセージを送っていいのか? 経営相談
社長から全社員に直接、メッセージを送っていいのか?
質問
社員が300名になり情報の伝達が遅くなっています
社長から全社員向けにメッセージを送るべきなのか?
それとも階層ごとに伝えていくべきなのか?
どちらがいいのでしょうか?
(40代、創業社長、社員300名)
回答
両方正しいのだと思います
でも、いくつかポイントがあるのでお話しいたします
①社長から全社員に伝えるべき事は、経営戦略、経営理念、基本方針など大項目
②階層ごとに伝える目的は、各階層のリーダー育成のため
③全社一斉メールや経営計画書、社長からのメッセージなどを使い分ける
①毎日、社長から具体的な細かい指示が来たら社員もやり切れないと思います
なので、社長からのメッセージはたとえば月に1回、毎週1回などがいいでしょう
具体的にはシャープを見事に立て直した
鴻海(ホンハイ)から来た戴 正呉(たい せいご)社長は
就任後、月一回のペースで
40,000人の全社員に対してメッセージを送ったそうです
その理由は、社長の意思が全員に届かなかったためです
また、社長の意思を一語一句間違えなく伝えるために
全社一斉のメールを送ったわけです
毎週1回メッセージを送る例として
ある上場企業の創業社長は
毎週1000文字以上のレポートを書き、10年以上発信し続けたというものがあります
つまり、1000*52週*10年=52万文字以上となります
本が何冊か、書けるレベルです
なので、文章力がつきます
ちょっとした、「修行」です
②しかし、社長からの全社員へのメッセージだけだと、
次のリーダーが育たなくなってしまうことがあります
そのため、大きな方針は社長が出し
具体的な個別の戦略や実行計画は各部署のリーダーが責任を持ってやるようにする
そのようにリーダーを育てていく必要があります
つまり、少し効率が悪いのですが
リーダーになるためのトレーニングをする必要がある
と言っても良いのかもしれません。
③このように、社長から社員へのメッセージの伝え方は、何通りかあります
経営計画書のような書類にして年に1回つくり、
それを毎日のように読む場を作る、勉強会をする方法など
しかし、年に1回だけのメッセージでは足りない場合には
また、社員の数が多すぎて全社員に情報が伝わってないと思う場合には
社長から全社員へのメッセージも必要だと思います
例えばそれは、一斉メールであり、社長からの手書きのメッセージです
もちろん、その頻度は
経営の環境や、会社のおかれた状況によっても変わってきます
週1回、年間52回、送るくらいで、ちょうどいいのかもしれません