2020年箱根駅伝 新記録を支えるナイキ厚底 ヴェイパーフライ 靴のイノベーション
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箱根駅伝、素晴らしい戦いでしたね!
見てるほうがも思わず前のめりになって応援してしいます
ところで今回、区間新が大幅に更新され、良い記録が出ました
でも、よく調べてみると実はそれの裏に「ナイキ」の「イノベーション」がありあます
テレビではナイキの宣伝になるのでメーカー名、商品名を言えません
しかし、データが物語ります
■ナイキ大飛躍の実績
マラソンシューズにおけるナイキのイノベーション 厚底シューズ
商品名「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4% フライニット」
従来の薄底とは逆の厚底設計、「ナイキの厚底」と言われている
キプチョゲ選手からの要望で誕生
エウリド・キプチョゲ選手(ケニア)
2017年ロンドン、18年ベルリン、19年ロンドンマラソン優勝
フルマラソン2時間25秒(非公認)
2018年マラソンメジャー大会における金、銀、銅選手のシューズは「ナイキ」が席巻
東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークマラソン、計6大会
男・女別、金、銀、銅の合計36(=6×2×3)の内
計25(約70%)がナイキのシューズ
この実績を見ると
マラソン選手なら絶対に履いてみたくなるという優れもの
これはランチェスター戦略でいう「キリモミ」戦略
あるスポーツでトップ選手に商品を使ってもらい、裾野を広げる
トップのニッチの領域から「キリモミ」のように入って行き
あの選手が使うなら!と、マスに憧れをもってもらい、裾野を広めてゆくPR戦略
■今回の2020年、箱根駅伝で具体的なデータを見てみましょう
昨年2019年の箱根駅伝では、全出場選手のうち、
「ヴェイパーフライ」を履いていたのが86人
アシックス51人、アディダス39人、ミズノ24人
今年、2020年、往路105選手中、87人が「ナイキの厚底」着用率なんと82.8%
「みんな同じピンク色の靴履いてるなぁ」と、思いませんでしたか?
2020年すべての区間新記録は「ナイキの厚底」
1区 米満玲選手(創価大) 1:01:13
2区 相澤晃選手(東洋大) 1:05:57 新記録
3区 イエゴン・ヴィンセント・キベット選手(東国大) 0:59:25 新記録
4区 吉田祐也選手(青学大) 1:00:30 新記録
5区 宮下隼人選手(東洋大) 1:10:25 新記録
また、日本人選手では、「ナイキの厚底」を履いて
設楽悠太(ホンダ)が2018年の東京マラソンで
従来の日本記録を5秒更新する2時間6分11秒
大迫傑(ナイキ)がシカゴ・マラソンで
2時間5分50秒とさらに日本記録を更新
続々と新記録が生まれています
■どこがスゴいのか?
「ヴェイパーフライ」つまり、「ナイキの厚底」は、従来の薄底シューズとどこが違うのか?
ポイントは、「前傾姿勢」「カーボンプレート」「廉価版」
1つめのポイントは「前傾姿勢」
ランニングは、まっすぐ前方(水平)ではなく、わずかに上方向に向かって跳ねる
つまり、斜め上に跳ねるように進むのが一番効率的な走り
「ナイキの厚底」はシューズ全体がスプーン型の構造なので
履いている人が意識せずとも自然に前傾姿勢になる
それによって効率的な走りを可能にしたらしい
2つめのポイントは、「カーボンプレート」
ソールに「カーボンプレート」が内蔵されていることで「疲労感」が大幅に軽減すること
ナイキは世界中の顧客から集めた「ビッグデータ」をAIで解析し、
万人にとっての理想的な走り、理想のフォームをはじき出すことで
それを可能にする厚底の「ヴェイパー」を誕生させた
3つめのポイントは、「廉価版」の発売
2019年7月に、「ヴェイパー」の廉価版で「ズームフライ3」という靴が登場
これは「ヴェイパー」と形状的にはほぼ同じだが、長い距離を走れる、つまり練習用
そして、値段は半額なので買いやすい
練習を「ズームフライ3」で、試合を「ヴェイパー」で走れることになる
「ヴェイパー」は3万円するが、160KM走ると履けなくなるらしい・・・
市民ランナーでも月に160KM走る人はたくさんいる
でも毎月、1足3万円、ランニングシューズに使うと
結婚している人は奥さんに怒られちゃうし、学生はお金が続かない(笑)
そこで「廉価版」を出して「ヴェイパー」を使用する裾野を広げた
また、私立大学の受験願書の受け付け開始は1月4日
その直前に、視聴率30%もの場所で大学をアピールできる絶好の場が箱根駅伝
ある大学では受験料が億単位でアップした実績があがるらしい
箱根駅伝は学校のPRの場になっている
■「ナイキの厚底」「ヴェイパーフライ」がいい!のはわかったが
今まで1位だったアシックスはどうしたらいいのか?
現状を分析してみると
アシックスの売り上げは4000億円
ナイキの売り上げは4兆円
10倍の差がある
さらに時価総額でいくと
アシックスが3000億円
ナイキは何と15兆円もあって
50倍の差
この差はなかなか埋まらない
さらにアシックスの売り上げの8割がシューズなので
この領域でナイキに負けたことは非常に大きな痛手
ここからアシックスがどのような戦略を立て
業績を回復していくのかというところが
本当に生き残れるかどうかになってくる
がんばってほしい