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利己主義と利他主義 

利己主義と利他主義

「自分だけ良ければいい」が利己主義

「世のため人のため」が利他主義

 

「自分だけ良ければいい」という利己主義だと

誰の協力も得られないばかりか、人の反発を買う

 

才能あるエネルギーある社長は利己主義が多い

しかし、それでは継続的な成長ができなくなってしまう

 

「世のため人のため」という利他主義は

人が協力をしてくれ、人からの尊敬をえられる

 

あの人のためなら、といってもらえ

継続的な成長ができる

 

経営は利他の心を持って判断をすると

結果的に良い結果をもたらす

 

才能を私物化しないとは

自分の才能を世のため人のために使うこと 

 

それが利他主義、謙虚という美徳の本質はそこにある

 

人生の目的は魂のレベルを上げること

それは言葉を変えれば自立、成長、貢献

 

貢献とは利他

世のため人のために尽くすこと

自分の身を捧げること

 

世のため人のために尽くすことこそが人間としても最高の行為である

利他行 利他主義

 

自利と利他

商売では、自分が儲かると同時に、相手の利益があること

それが自利と利他

 

■自分だけ儲かればいい、社員は儲けるための道具、客は引っ掛けるもの

この利己主義の考え方で、経営がうまくいくわけがない

 

そうではなく、社長自らが率先垂範し、経営に身を捧げ

社員を守り、お客様に奉仕をする、喜んでもらう

 

人の役に立ち、喜ばれ、感謝される経営をする

これが利他主義
 

社長が自らの身を経営に捧げ

世のため人のために行うのが利他主義

社会のため、お客様のため

 

六つの精進 善行・利他を積む

六波羅蜜  布施は利他

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京セラ稲盛和夫氏の言葉より

 

■利他の心を判断基準にする

 

私たちの心には、「自分だけがよければいい」と考える利己の心と

「自分を犠牲にしても他の人を助けよう」とする利他の心があります。

 

利己の心で判断すると、自分のことしか考えていないので、誰の協力も得られません。

自分中心ですから視野も狭くなり、間違った判断をしてしまいます。

 

一方、利他の心で判断すると、「人によかれ」という心ですから、まわりの人みんなが協力してくれます。

また視野も広くなるので、正しい判断ができるのです。

 

より良い仕事をしていくためには、自分だけのことを考えて判断するのではなく、

まわりの人のことを考え、思いやりに満ちた「利他の心」に立って判断をすべきです。

 

■才能を私物化しない

 

どのようにすぐれた能力も、それが生み出した成果も、私に属しながら私のものではない。

才能や手柄を私有、独占することなく、それを人さまや社会のために使う。

 

つまり、おのれの才を「公」に向けて使うことを第一義とし、「私」のために使うのは第二義とする。謙虚という美徳の本質はそこにある。

 

すなわち私心を抑えることは、利他の心に近づくことであり、

自分のことは後回しにして世のため人のために尽くす利他の心が生まれたとき、人間はよりよく生きることができる。

 

■自利と利他

 

商いは「自利・利他」という関係でなければいけません。

「自利」とは自分の利益、「利他」とは他人の利益です。

 

つまり「自利・利他」とは、自分が利益を得たいと思ってとる行動や行為は、同時に他人、相手側の利益にもつながっていなければならないということです。

自分が儲かれば相手も儲かる、それが真の商いなのです。

 

自利、利他の精神がなければ、たとえ短期的には成功することがあっても、長続きはしません。必ず軋轢が起こってしまうものなのです。

 

常に相手にも利益が得られるように考えること、利他の心、思いやりの心を持って商いを行うことが必要です。

「自利利他」自分の利益を得ようと思うのなら、まずは「利他」が要るのです。

我々はまさに自己犠牲を払い、「利他の心」「利他行」「利他の精神」を実践しています

 

■世のため人のために尽くす

 

「世のため人のために尽くす」ことが人間として最高の行為です。

人間は、「自分だけよければいい」と利己的に考えがちです。

 

しかし本来、人間は人を助け、他の人のために尽くすことに喜びを覚える、美しい心を誰もが持っています。

利己的な思いが強すぎると、本来の美しい心は表に出てこないのです。利己的な思いを抑え、「利他」の心を持って世のため人のために尽くさなければなりません。

 

このようなことは、美しい心が行うものであり、それを行うことで、私たちの心はさらに美しく、純粋なものになっていきます。

また、情けは人のためならずと言われるように、世のため人のために尽くすことで回り回って自らも助けられ、幸福になれるのです。

 

■成功した経営者には、「人生観の変化」という共通した特徴があります。

起業当初の成功欲、金欲といった「我欲」が、成功する過程で「利他」の精神に目覚めるという変化があるのです。

 

我欲の抜けない人は、それが妨げになり、必ず失敗します。

だからこそ、多角化という坂道を無事に乗り越えるために、心と人格を高めようと申し上げているのです。

 

■6つの精進

 

「一.誰にも負けない努力をする」「二.謙虚にして驕らず」「三.毎日の反省」「四.生きていることに感謝する」「五.善行、利他行を積む」「六.感性的な悩みをしない」

本能だけで物事を考えた場合、相場よりも高い値段で商品を売りつけるなど、周辺の人に損をさせたり、後々大きな問題を引き起こしてしまう恐れがあります。

逆に利他の心で判断をすると、相手のことを第一に考えるわけですから、「自分は儲かるかもしれないが、相手は後で必ず困ることになるだろう」と思いとどまることができます。

 

■「六波羅蜜」、「布施」「持戒」「精進」「忍辱」「禅定」「智慧」の六つの修行をすれば、人間は悟りに至るというものです。

 「布施」とは、自己を顧みないで、他人のために尽力するということです。言い換えれば、世のため人のために尽くすという「利他」の行為です

 

経営者は自分だけ儲ければいいと考えるのではなく、従業員も含めて、みんなを幸せにしてあげようという利他の心を持たなければなりません。

「自分だけが成功し、金持ちになりたい」「自分の家族、一族だけを守っていきたい」「従業員は使用人としてこき使えばいい」などという考えでは、成功は長続きしません。

 

自分の周りにいる人たちを少しでもよくしてあげたいという気持ち、つまり、利他の心を持たなければ永続的な繁栄はないのです。

 

■善用(利他)の人生と悪用(利己)の人生

 

柔道の山下泰裕さん

柔道の創始者嘉納治五郎さんの説いた「精力善用」について

 

「私は小学生のころ、高校生に劣らない体格をしていて、あり余る力を持っていた。その力を持て余して悪さをするものだから、両親が心配して柔道をさせた。それは治五郎先生の本にあった『精力善用』ということなのだと知った」

 

では、善用と悪用の違いは何なのか。

それは、「利他」と「利己」の違いです。

 

利他の心で動いた場合には善用になり、利己の心で動いた場合には悪用となるのです

 

■企業としての京セラの経営の目的は、会社の中に住む全従業員の物心両面の幸福を追求することにあります。

つまり、我々経営者は自分が豊かになるために従業員を酷使しているのではなく、率先垂範、自分自身が骨身を惜しまず汗水を流し、経営に尽力することで、従業員とその家族を守り抜いているのです。

 

ですから、経営者である皆さんは、まさに人を助ける「利他行」という、素晴らしいことに日々努めている方々であり、そのことに自信を持つべきなのです。

 

そうすると、企業経営というものは、従業員を雇い、社員を幸福にするための「利他行」であり、また、その方法も人間として正しい道を踏まえたものであるとすれば、我々にはひとかけらもやましいところはありません。

 

我々企業人は、堂々と素晴らしい人生を歩んでいるのです。

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