JALフィロソフィはなくなった?! 稲盛和夫JAL会長 退任後5年
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去年の12月、 JAL で羽田から沖縄に行きました
500人乗りの飛行機の搭乗率が3割、150人しか乗っていません
「これは、やばいなあ・・・」という感じです
後ろ半分の席は、ほとんど人が座っていない
1日20本、羽田から那覇にを飛行機が出てるとしても
満席なら、その3割、6本で済むということです
このままいったら潰れます
でも、職員(CA)にはその気持ちがあまりない・・・
チーフパーサーと話をすると
キャリアも長いので
JALが倒産した当時のことを覚えていて
話が通じやすい
でも、若い社員の人と話すと
「倒産、それって何のことですか?」
というトンチンカンな感じです
稲盛さんがJALのトップになり
JALを再建していた頃の社員の頑張りは
どこに行っちゃったのだろう?と思います
2010年に会長に就任、2015年に名誉顧問
3年で立て直して、5年間はJALフィロソフィが共有できても
そこから、5年たつと現場にはもう浸透していない・・・
本人たちに悪気はないのでしょうが
フィロソフィを伝えてゆく難しさを実感しました
企業に長く勤めている人は
やっぱり、後輩、若手に、自社の歴史を語る必要性がある
そのことを、ハッキリと感じた出来事でした
企業で働く社員全員の思いを一つにしてゆくのは
本当に難しいですね
あのJALでさえ、JALフィロソフィ浸透の難しさ
JALフィロソフィを持ち続ける難しさを感じます
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京セラの稲盛さんが主催する盛和塾に
私が100回行った中で
塾長(盛和塾の塾生は稲盛さんを塾長と呼びます)が
2010年にJALのトップになったことは
大きな出来事でした
その時、盛和塾の塾生全員で JAL 応援団を作りました
JAL 応援カードを作り1人が100枚
自分の知り合いに配って JAL に乗ってもらおうというものです
塾長に恩義があると思った私は
一人100枚のところ人の3倍300枚貰って
300人にJAL を応援していますとカードを渡しました
(人の3倍は、ランチェスター戦略!)
JALに乗った時には、そのカードに
「頑張ってくださいね!」と書いてたくさんのCA の人に渡しました
中には涙ぐんで、喜んでくれるような人もいました
我々も応援し、JAL の社員もそれに応えて頑張る
そんな美しい姿が、2010年から2013年くらいまでにはあったんです
でも、あれから7年・・・
たった7年でその人たちが持っていたJALフィロソフィーが
すっかりなくなってしまった
そんな気がする、大きな失望感があったのが
2020年、年末の羽田〜那覇便
つまり、人生や経営というものは
時間とともに大きく変化し
善くも悪くもなっていく
そう思いました
失望感とともに、また頑張ってほしいという
応援の気持ちを持ちながら、見守っていきたいと思います
JAL フィロソフィ浸透の難しさです