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●創業1300年、世界最古の旅館「粟津温泉」「法師」とはどんな会社なのか?
 
〜「世界で最も歴史あるホテル」としてギネスブックに登録されている
〜創立200年以上の歴史を持つ企業だけで構成される世界の伝統企業の協会
【エノキアン協会】加盟
 
「法師」
 
会社名 有限会社 善吾楼
創業  718年
従業員数 90名
事業内容 温泉・旅館業
住所   923-0326 小松市粟津温泉
ホームページ http://www.ho-shi.co.jp/
社長 法師善五郎(46代)
 
●会社の歴史について
 
「まず、温泉とは人々の心と体を癒すものです」
「古来、温泉が発見されたのは、傷ついた動物が体を休め癒しているところを人間が見つけ、入ってみるとそこが体にいいとわかったからです」
と46代目法師氏は語ります
 
なんとキレイな平城京と覚えた、710年から始まる奈良時代には、山岳仏教が栄えます。その際に、人里を離れて山中に入り修行する僧が山中の温泉や薬草を発見したのです
そういった僧の一人、泰澄大師がこの法師温泉を掘り当て、その湯守りを任せたのが現在の46代目法師氏の先祖、雅亮法師であり、それから1300年続いているのです。
 
46代目法師氏が小さいころ、マムシに噛まれた人が温泉に1週間入り続けるとキレイに毒が抜けるのを「実際にこの目で見ている」そうで、温泉とは人を癒すものだと実感しているとおっしゃいます。
 
●なぜ「粟津温泉」の「法師」は長く続いているのですか?
 
〜それは、かわいがられ、守られること
 
「温泉は全国にたくさんありますが、この場所に理由があると思います
それは、災害がないこと、地震がないこと、そして温泉が湧き続けていたことなど『守られている』んだと思います」
 
「代々かわいがられてきた。時代の中で、いじめられずにいき続けた。殿様にもかわいがられた。」
 
「そういうように、すべての人に親切にして、かわいがられたと言うことが大切なんだと思います。そうでないと、戦国時代なら、信長でも秀吉でも気に入られなければ皆、殺されたのですから、人にかわいがられるということはとても大切なことです」
 
46代目法師氏の言葉は、前田利家のお膝元であるだけに戦国時代の話など歴史を感じさせながらも、実は現在のビジネスや会社の中の人間関係にも通じる深い言葉として感じられた
 
さらに続く言葉は・・・
 
「そして、徳 特に陰徳は何よりも大事だと祖父から言われました」
「事業を続けるとは、カンタンに言ってしまうと駅伝のようなもの。
自分がやったことを次の代に渡す、そしてその時に一緒に走ってくれる人がいる。
旅館なら、料理を作る人や女将さんが教えてくれる。お客さんが教えてくれる。お前が小さい時はこうだったと話してくれる人がいるのです。」
 
つまり、自分ひとりでこの家ができたわけでもなければ、自分ひとりでやってきたわけでもない、連綿と続く歴史の中で互いに支えあいながらやってきた。
それも、経営者だけでなく社員と、そして、お客様に支えられながら経営が続いてきたと言うことを実感し、心のそこからそう思っている感じでした。
争いをせず、敵を作らない、そしてかわいがられる
そういった人間関係の基本がしっかりと守られていることが継続する秘訣なのかもしれません
 
●昔の社員教育は生活を共にし、心を通じ合わせて学んだもの
 
「宿と言う字は、家の下に百の人と書くんですね」
「つまり、住まいも食事も一緒にやってきて、実地における勉強をずっとし続けていたんです。一緒に同じ宿に寝泊りして教えてくれる。
この時間からこの時間が研修でこの時間は仕事とかそんな区分けはなかったんですね。」
 
今で言う社員教育が、朝起きてから寝るまでずっと続いているということなのでしょう。
そのときの状況を想像すると、これこそが昔の日本企業の強さだったのではないかと言う気がします。
月に数時間の社員研修をしているという企業があったとしても、結局は24時間生活を共にすることより濃い研修にはなりえないという気がします
 
46代目法師氏は
「何よりも人は大事」
「心を一つにする、心を通じていけるかということがとても大事」
とも話します
 
師では決してカリスマ経営をするわけではなく、人を大切にする経営です
多くの時を共に過ごし、考え方をお互いがわかり、関係する人みなが心を一つにすることで、この事業が継続的に続いてくことになるのでしょう。
 
おばあさんは春になると、梅を干していた。それを見ていた孫が梅を干すようになり、自分の孫にそれを伝えていく。そういった毎日の中で、温泉・旅館業の一つ一つの伝統を受け継いできたと言えるのかもしれません。
 
●人間も企業も生かされていると感じる感性が大切
 
「企業でもみんな一緒ではないでしょうか?
企業でもいろいろな条件があって生きている 生かされている
大きな津波や台風でなくなってしまう 家事ですべてを失うこともある
大きな力を考えると生かされていると思う
一つだけの原因で結果が起こるのではなく
多くの原因によってある結果が起こる」
 
だから1300年続いたと言うことは、自分達の努力もあるけれども大きな力によって、生かされて今日ここにあると言う視野の広さ、長さを感じる言葉でした
樹齢1000年の木があるのは、木の力とともに木が生かされているとしか言いようのないこともあるのかと思います
 
おかげさまですと言う心を持ち、
自分だけよけりゃいいというような感性を持たない
そういう人に久しぶりにあった感じでした
 
でもこれが、また、継続する秘訣の一つなのかもしれません
 
●商品としては多角化をせずにこの道一筋1300年
 
老舗の継続の仕方を見るといくつかの形態があります
 
本業をずっと続けて、多角化をしない
本業を続けながらも、多角化をしていく
本業は今はもうやらずに、多角化した事業をしている
 
このの中で、法師は本業一筋、1300年!
 
これは、良質の温泉がずっと湧き続けていること
土地が災害などにあわなかったことなどの理由があると思います
 
そして、あえて多角化をしなかったということも、継続できた理由なのかもしれません
 
【ポイント】
 
●心と体を癒すものが温泉(温泉でマムシの毒までぬける)
●長く続く秘訣はかわいがられ、守られること
●昔の社員教育は生活を共にし、心を通じ合わせて学んだもの
●人間も企業も生かされていると感じる感性が大切

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