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人間はいくつになっても、だれにでも幼児性が残っているものです
この幼児性は、年齢に関係ありません
八十歳の人でも子どもはいるし、十二歳の人でも大人はいます
とくに、幼児性が顕著に現れるのは「わがまま」
おなじ「わがまま」でも、「自分のわがまま」は平気で許せるのに
「人のわがまま」は絶対許せない、という人がいます
この人は、たぶん、たいした失敗も苦労もなく
甘やかされて育った人ではないかと思います
相手の立場に立って物事を考えることができない
全てが自己中心的考え方
自分のもっている力は自分だけのもの
一切、自分以外のために使おうとしない
自分で自分をコントロールできない体質も共通しています
こういう人は年齢に関係なく、子ども
一方、自分のことだけでなく、他者のこと、社会、国家のことまで
いつも気づかいながら生きている人がいます
自分にできることはたとえわずかなことであっても
常に周囲のことを気遣って生きている人
自分にできることはなんなのか、をいつも問題提起しながら生きている人
こういう人は「自分のわがまま」を自分で許すことができません
この人が本当の大人です
 
「人としてなすべきこと」をしようと思えば、手間と時間はつきもの
面倒で苦労することばかり
簡単で楽なことは何もありません
見返りが保証されたり、約束されているわけでもありません
だからといって「自分のしたいこと」ばかりに時間を使っていると
周囲の人が離れていきます 協力も得られません
そういう人に限って、自分の利益や楽しみに結びつかないことをすれば
「損をする」と考えるようになります
これでは、いつまでたっても子どものまま
限りある人生
時間が命だとすれば、その命を自分以外のために費やせるようになったとき
大人になったといえるのではないでしょうか
 
鍵山秀三郎

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