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今でこそ私は、「心で思ったとおりに現象は現れる」と信じているのですが
社会人となったころは、やることなすことうまくいかず、とてもそのようには考えられませんでした

しかし、そんな苦しい中でも、私は明るさと希望だけは失いませんでした
これが今日の私をつくったと思います

そのころ私は、床が抜けそうなオンボロの寮の二階に住んでいました
畳の表もなく、わらがぼうぼうとむき出しの六畳間でした
そこに七輪と鍋を持ってきて、毎日自分で炊事をしていました

会社での研究も、人間関係もうまくいかず、日が暮れると
寮の裏の桜並木が続く小川へ一人で出かけていきました


そして、小川のほとりに腰かけて、唱歌「ふるさと」をよく歌ったものでした
心の痛みが積もり積もって、どうにもならなかったのです

私は思い切り歌うことで、自分を元気づけていたのです
そして、気分を一新して、次の日にはまた会社へ出かけて懸命に働きました

悩みは、いつでも、誰にでも、どこにでもあります
しかし、そういう状況の中でも、気分転換を図り
明日への希望と明るさだけは失わないようにしなければなりません

稲盛和夫

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