忘れられないことですが、ある夜一人の紳士がやってきて
「8人の子どもいる家族がいて、このところ何も食べいない様子なので
彼らのために何かしてあげてください」と言いました
そこで私は、お米を持ってその家へ行きました
母親はお米を受取ると、二つに分けて、出て行ったのです
子ども達の顔には飢えがはっきり表れていました
母親が戻って来た時、どこに行っていたのかと尋ねました
彼女の答えは簡単でした
「あの人たちも、おなかをすかしているのです」
”あの人たち”とは隣の家族のことで、
彼女は、彼らが何も食べていないことを知っていたのです
私は、彼女がお米を分けてあげたことに驚いたのではありません
彼女がその事実を知っていたということに驚かされました
分かち合う愛のあるこの母親の顔が、幸せに輝いているのを見るのは
何と素晴らしいことでしょう
私には、一体いつから何も食べていなかったのかを
尋ねる勇気はとてもありませんでした
けれど、かなり長いあいだであったことはたしかでしょう
それなのに、この母親は
彼女の苦しみの中で、悲しみの中で、肉体的な苦痛の中でなお
隣の家族も飢えているということを知っていたのです
私たちは、まわりの人が愛を必要としていることを知っているでしょうか?
まわりの人たちが助けを必要としていることを知っているでしょうか?
この家族が示してくれた手本のように、神は、決して私たちのことを
忘れたりなさいません
そして、そこにはいつでも
あなたや私にできることが必ずあるのです