● 見習ってほしいオススメの企業 安田蒲鉾株式会社
安田蒲鉾株式会社(福井県)は同県のかまぼこメーカーではNO1。
売上8億円、従業員43名の魚肉練り製品の製造販売をする会社。
創業1808年なので、200年以上の歴史を持つ老舗で、農林水産大臣賞を受賞しています。
蒲鉾業界は2010年現在、全体の生産量が20年前の100万トンから現在60万トンに減少し、
業界上位100社の中でも売上増は24社のみという厳しい環境。
市場が縮小する中でも、売上の80%を福井県に販売し、
県外には商圏を広げない戦略がまさにランチェスター的で、売上、利益、共に堅調です。
商品面では、「よそさんよりも2割高い材料を使い、価格は1割高く」
とちょっと高いけど、いい物を作る商品方針でやってきました。
また、販売面では、間接販売から直接販売比率を増やす方針に変更することで、
工場に「かまぼこ道場」を併設。
観光客にかまぼこ作りの体験を直接販売し、そこからかまぼこファンが増えています。
今やバスツアーが組まれ年間7万人の来場となりました。
そして、地元の小学生向けには工場見学を行い、
小学校の教科書にもかまぼこ作りの工程が紹介されるようになります。
老舗企業のように長い年月経営を続けるには、
地域と人を大切にする理念と実践が不可欠です。
安田社長(62歳)のお母さん(86歳)は
「食べ物を作るものは、朝の一番にきりっと髪を整え、
鏡の前でにっこりよい笑顔を作ってことをはじめよ」と小さい頃から厳しく躾けられたと言います。
仕事をはじめて以来、社員の方に朝食と昼食を毎日、欠かさず作り続けてきたことが、
理念の実現であり、社員教育となっているのでしょう。
実際にそれは、社員が辞めない、60歳で定年になっても70歳まで働く7組の親子が働いた、
という結果にあらわれています。
安田社長のお母さん孝行は地元ではとても有名です。
社長がお母さんを大切にし、お母さんは子供と社員を大切にする。
その思い、理念が地域のお客様に、長い年月をかけて伝わり、
地域NO1のかまぼこメーカーとなっていると言えます。
人を思う「理念戦略」の実践とも言えるでしょう。
老舗企業の多くは、地域と地域の人に感謝して大切にする特徴があります。
長い年月経営を続けるには、地域と人を大切にする理念と実践が不可欠です。