ニッチ戦略でNO.1を目指す
↓
●『NO1企業に学ぶ経営の極意』の一つは、ニッチ戦略でNO.1を目指すこと
【ニッチ戦略】としての「関所戦略」、「専門技術戦略」、「専門市場戦略」
●ニッチ戦略として関所戦略、専門技術戦略、専門市場戦略がある
この言葉は現代経営学の発明者と呼ばれるピーター・F・ドラッカー
の言葉です(イノベーションと起業家精神より)
ニッチ市場とは、ある程度のニーズ(需要)はあるものの、その規模が小さいため、商品やサービスの供給・提供が行われていない市場のことです
そして、ニッチ戦略とは小さな隙間でのNO.1シェアを目指すことであり、起業家が起業する際に一番注目すべき戦略の一つです
●ニッチ戦略の一つ、「関所戦略」はプロセスに不可欠だが、全体から見ればあまりに小さく、競争相手が入ってこない部分を探すこと。
アルコンラボラトリ(現日本アルコンの前身)は、手術費用全体から見ればごくごくわずかな費用にしか過ぎないが、白内障手術プロセスにはどうしても必要な酵素の保存薬を開発しました。これにより、その市場では1年半後には世界中の市場を押さえ、NO.1企業となったのです。
●次の「専門技術戦略」のよい例が、チャールズ ケタリング(発明家・GM元取締役)の発明です。
彼はセルフスターター、高圧点火システム、有鉛ガソリン、高圧縮エンジンなどを発明しました。自動車産業が高成長を続けていた時に、その産業において必要不可欠な製品ですが、自動車製造コストとしてはとても安いものを高利益率で提供ました。
新しい技術、市場においては専門技術戦略は高い機会に恵まれ、リスクが低く最も有利であるという例です。
●「専門市場戦略」とは、競争相手が現われるほど大きくない市場を狙うことです。
欧米でのクッキーの業務用オーブンメーカーは2社しかなく、また今では誰もその市場に入ってきたがらない市場です。
理由は、市場自体がたいへん小さく、後発の企業が参入しても市場を取るのが難しいからです。
仮にこの市場に競合他社が参入して市場シェアをとろうとした場合は、製品価格を下げざるをえないので、自らの利益率を落として事業の存続を難しくします。
アメリカンエキスプレスのトラベラーズチェックも、初期段階において銀行はその市場があるとわかっていても参入しなかったので、独占に近い状態だったそうです。
理由は、特別な機能や技術があったわけではないが、同じように参入するには市場が小さすぎたからです。
このような切り口から、小さい市場でNO.1を狙う戦略は大変有効です。
起業をするときは、大手がすぐに狙ってくるおいしそうな市場に参入するよりも、大手が入ってこない小さい市場でNO.1をとる戦略の方が成功しやすいです
例えば私の場合、派遣会社でも「薬剤師」という限られた領域の、限られた派遣先だけに絞りNO.1を目指したので利益率が高くなりました。
●派遣業もこれからは、大きい市場を狙うより、小さい市場を狙った方が、圧倒的に成功確率は高くなるだろうと思われます
「薬剤師だけ」、「看護士だけ」、「医師だけ」の派遣、または「夜間だけ」、「40歳だけ」の派遣という絞り込んだ派遣会社が面白くなりそうです
実際に、「マッサージ師だけの派遣」会社や、「販売スタッフだけの派遣」会社で急成長している会社も出てきています。
*ニッチ( Niche )とは直訳すれば「隙間」や「くぼみ」の事ですが、現在の商品やサービスでは満足できない消費者はいつでもが存在するため、隙間であるニッチ市場ができるのです
ニッチ市場の小さい市場ができる理由は
消費者自体が少ない(特定の用途や目的に特化しているため)
潜在的なニーズのため、誰も「産業」として考え付かない
既存の手法では収益性が悪く、市場としての魅力が無い
などが挙げられます
市場規模の小ささから既存企業が進出していないため、ベンチャー企業が進出しやすいということになります(wikiペディアより)
●【ランチェスター戦略】から起業するときの戦い方を学ぶ
●弱者が戦略を考える際には「必須」!科目と言える
ランチェスター戦略とはどんなものなのか?
ランチェスター戦略とは、イギリスのエンジニアであるランチェスターが発表した軍事的法則のことで、第二次世界大戦でアメリカがこの法則を中核的軍事戦略として活用したことで有名です。
日本では軍事戦略よりも経営戦略として活用され、大手上場企業の大多数が採用しているものです。
●法則としては以下の2つの法則で成り立っています
第1法則 攻撃力=武器効率(質)*兵力数(数)
これは、「一騎打ちの法則」と呼ばれ、局地戦、接近戦に適用されます
武器効率(質)変わらなければ、攻撃力は兵力数に比例するということです
第2法則 攻撃力=武器効率(質)*兵力数2乗(数)
これは、「集中効果の法則」と呼ばれ、広域戦、遠隔戦に適用されます
武器効率(質)変わらなければ、攻撃力は兵力数の2乗に比例するということです
ここからから導かれる結論(概論)をカンタンに申し上げておきます。
●強者と弱者は戦い方が違う
●弱者は差別化をすること
●弱者の戦略は
局地戦
接近戦
一騎打ちで
一点集中すること
などです
起業するときは誰でも弱者ですからこのルールに従うことです
従って、とるべき戦略は【ニッチ戦略】や【差別化戦略】となるわけです
勝負は敵と見方の力関係で決まりますので、
戦闘力=兵力数*(兵器の性能)2 が強者に敵わないなら戦わないことです
そして、強者は弱者に比べ、常に優位の立場にいますので、
一方の弱者は、強者と戦い方を変えることです
無理をして手を広げるより、エリアでも商品でも一点集中して
そこで勝ってから次に進んだ方が得策になるわけです
ニッチ市場とは
●『老舗』に学ぶ【継続性】と【卓越性】
老舗とは我々が生まれていないずっと前から、連綿と続いている企業です
その【継続性】や強さから何が学べるのでしょうか?
●老舗の強さは様々な切り口から見ることが可能です
きっと、老舗はあるルールにのっとって企業を継続的に反映させているでしょうから、これから具体的な会社の例をみながら、その秘密を解き明かしていきたいと思います
●【エノキアン協会】をご存知ですか?
老舗について語るときはまず、【エノキアン協会】(本部:パリ)についてお伝えしなければなりません。
【エノキアン協会】とは、伝統企業の国際組織、つまり世界の老舗の協会と言えます。フランスの企業を中心に、世界の歴史ある企業の協力関係を築き、さらに産業活力と伝統は調和することを証明するという目的を持っています
エノキアン協会の会員資格は
(1) 創立200年以上の歴史を有する企業であること。
(2) 創立者が明確で、その同族者が現在でも経営権を持っていること。
(3) 経営状態が良好であること
で、世界8カ国 計35社で構成されています(2005年11月現在)
●日本からは現在4社が加入しています。
法師(西暦718年:創業1288年の温泉旅館業)
月桂冠株式会社(西暦1637年:創業369年:酒造業)
岡谷鋼機(西暦1669年:創業337年:商社:名証一部上場)
赤福(西暦1707年:創業299年:和菓子製造・販売)
です
ここで、老舗全体を総括して見てみましょう
仮に100年以上続く企業を「老舗」とするならば、その数は日本でも数万社はあるようです。
1868年が明治元年ですから、明治元年に創業した会社は現在、創業138年。
明治時代が始まって10年もすると、次々と企業が起こりましたから、創業100年を迎える企業はこれからも毎年出てくることでしょう
そして、200年以上続く会社は約800社と言われています。
それらの会社は、1806年以前の創業ですから、江戸時代の末期、成熟した文化が花開いていた頃に創業されました
そして、老舗の中で、現在、上場企業している会社は約250社あります。
それらの会社は、任天堂、松井建設、養命酒製造、田辺製薬、松坂屋などです100年以上の歴史を通じ、過去の事業内容を続けている企業もあれば、新規事業をおこし、事業内容を変更した企業もあります。
また、アメリカの老舗についても、少し触れておきます
アメリカと言う国そのものが、建国200年ほどですから、当然200年以上続く企業はありません。
その中でも、100年以上続いている素晴らしい企業もあります
医薬品・健康関連商品では、長年、増収増益の好業績を誇る、
超優良企業としてジョンソン&ジョンソン(J&J)が有名です
また、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の我が信条(Our Credo)は経営理念に関する教材としてもMBAを持っているほとんどの方はご存知かと思います
ジョンソン&ジョンソン(J&J)が継続した理由のひとつとして、この我が信条(Our Credo)は重要な役割を果たしていると言われています
*我が信条(Our Credo)
ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)には、企業活動を通じて「顧客」、「従業員」、「地域社会」および「株主」に対する責任を果たしていくべきであるという経営理念『我が信条(Our Credo)』があります。
この経営理念『我が信条(Our Credo)』は、世界中のJ&Jのカンパニーで共有されており、世界の各地域で36の言語に訳されています。
(ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)ホームページより)
我々の第一の責任は、我々の製品およびサービスを使用してくれる医師、看護師、患者、そして母親、父親をはじめとする、すべての顧客に対するものであると確信する。
我々の第二の責任は全社員 ――世界中で共に働く男性も女性も―― に対するものである。
我々の第三の責任は、我々が生活し、働いている地域社会、更には全世界の共同社会に対するものである。
我々の第四の、そして最後の責任は、会社の株主に対するものである。
事業は健全な利益を生まなければならない。
次週からは、具体的な老舗の経営者に取材をした内容のサマリーをこのページにてご紹介していきたいと思います
私たちの祖父母の祖父母が生まれたときより前に創業した企業とはどんなものなのか?
その歴史の前に頭が下がります
【継続性】と【卓越性】
それを持つヒントの一つでも、連綿と続く老舗の経営者からお伺いできたらと思います