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京セラフィロソフィ

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京セラフィロソフィ 心をベースとして経営する  

京セラは資金も信用も実績もない小さな町工場から出発しました
頼れるものはなけなしの技術と28人の信じあえる仲間だけでした


会社の発展のために一人一人が精一杯努力する
経営者も命をかけてみんなの信頼にこたえる
働く仲間のそのような心を信じ、私利私欲のためではない

社員のみんなが本当にこの会社で働いてよかったと思う
素晴らしい会社でありたいと考えてやってきたのが京セラの経営です

人の心はうつろいやすく変わりやすいものといわれますが
また同時にこれほど強固なものもないのです
その強い心のつながりをベースにしてきたからこそ
今日までの京セラの発展があるのです

稲盛和夫

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京セラフィロソフィ 公明正大に利益を追求する  

会社は利益を上げなければ成り立ちません

利益を上げることは恥ずべきことでもなければ
人の道に反したことでもありません

自由市場において、競争の結果で決まる価格は正しい価格であり
その価格で堂々と商いをして得られる利益は正しい利益です

厳しい価格競争の中で合理化を進め
付加価値を高めていく努力が利益の増加を生むのです

お客様の求めに応じて営々と努力を積上げることをせずに
投機や不正で暴利を貪り、一攫千金を夢見るような経営が
まかり通る世の中ですが、公明正大に事業を行い
正しい利益を追求し、社会に貢献していくのが京セラの経営です

稲盛和夫

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京セラフィロソフィ 原理原則に従う

京セラでは創業の当初から、すべてのことを原理原則に従って判断してきました
会社の経営というものは、筋が通った、道理にあう
世間一般の道徳に反しないものでなければ決してうまくいかず
長続きしないはずです
 

われわれは、いわゆる経営の常識というものに頼ることはしません
「たいていの会社ではこうだから」という常識に頼って安易な判断をしてはなりません
 

組織にしても、財務にしても、利益の配分にしても
本来どうあるべきなのか、ものの本質に基づいて判断していれば
外国においても、また、いまだかつて遭遇したことのない
新しい経営状況にあっても、判断を誤ることはありません

つまり、どんな時代になろうとも「人間として正しいものは何なのか」

ということを基準として判断をしなければならない
それを私は「原理原則に従って判断する」と言っているわけです

そして、この京セラフィロソフィそのものが原理原則であるからこそ
判断基準たりうるのです

稲盛和夫

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お客様第一主義を貫く

京セラは部品メーカーとして創業しましたが、当初から私たちは
下請けの立場ではなく、自主独立の会社でした。


自主独立とは、お客様が望まれるような価値を持った製品を
次々と生み出していくということです。
ですからその分野においてはお客様より進んだ技術をもつ必要があります。

進んだ技術で、納期・品質・価格・新製品開発等のすべてにわたって
お客様の満足を得なければなりません。
 

お客様野ニーズに対して、今までの概念をくつがえして、
徹底的にチャレンジしていくという姿勢が要求されます。
お客様に喜んでいただくということは商いの基本であり、
そうでなければ利益を上げ続けることはできません。

稲盛和夫

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京セラのような大きな会社をつくったから、

私の人生が立派であったということにはならない
 

そういう立派な会社をつくる過程において
私自身がどういう人間になったのかということの方が
はるかに大事なのです

稲盛和夫

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大家族主義で経営する

私たちは、人の喜びを自分の喜びとして感じ、苦楽を友にできる
家族のような信頼関係を大切にしてきました。
これが京セラの社員どうしのつながりの原点といえます。

 
この家族のような関係は、お互いに感謝しあうという気持ち、
お互いを思いやるという気持ちとなって、これが信じあえる仲間をつくり、
仕事をしていく基盤となりました。
 

家族のような関係ですから、仲間が仕事で困っているときには、
理屈抜きで助け合えますし、プライベートなことでも親身になって
話しあえます。
人の心をベースとした経営は、とりもなおさず家族のような関係を
大切にする経営でもあるのです。

稲盛和夫

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実力主義に徹する

組織を経営していく上で最も重要なことは、それぞれの組織の長に
本当に力のある人がついているかどうかということです。

 
本当に力のある人とは、職務遂行の能力とともに、人間として尊敬され、
信頼され、みんなのために自分の力を発揮しようとする人です。
 

こうした人が組織の長として場や機会を与えられ、
その力を十分に発揮できるような組織風土でなければなりません。

こうした実力主義によって組織の運営が行われれば、その組織は強化され、
ひいてはみんなのためになっていきます。
京セラでは年功や経歴といったものではなく、その人がもっている
真の実力がすべてを測る基準となっているのです。

稲盛和夫

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京セラフィロソフィ パートナーシップを重視する

京セラでは創業以来、心の通じあえる、信頼できる仲間づくりを目指し、
これをベースに仕事をしてきました。
したがって社員どうしは、経営者と従業員という縦の関係ではなく、
一つの目的に向かって行動を共にし、自らの夢を実現していく同志の関係、
つまりパートナーシップという横の関係が基本となっているのです。


一般にありがちな権力や権威に基づく上下関係ではなく、
志を同じくした仲間が心を一つにして会社を運営してきたことにより
今日の発展があるのです。
これはパートナーとしてお互いを理解しあい、信頼しあえる人間同士の
結びつきとなったからこそ可能であったのです。

稲盛和夫

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京セラフィロソフィ 全員参加で経営する

京セラでは、アメーバ組織を経営の単位としています。
各アメーバは自主独立で経営されており、そこでは誰もが自分の意見を言い、
経営を考え、それに参画することができます。


一握りの人だけで経営が行われるのではなく、全員が参加するというところに
その神髄があるのです。
この経営への参加を通じて一人一人の自己実現が図られ、
全員の力が一つの方向にそろったときに集団としての目標達成へと
つながっていきます。
 

全員参加の精神は、私たちが日頃のひらかれた人間関係や仲間意識、
家族意識をつちかう場として、仕事と同じように大切にしてきた会社行事や
コンパなどにも受けつがれています。

稲盛和夫

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京セラフィロソフィ ベクトルを合わせる

人間にはそれぞれさまざまな考え方があります。
もし社員一人一人がバラバラな考え方にしたがって行動しだしたら
どうなるでしょうか。


それぞれの人の力の方向(ベクトル)がそろわなければ力は分散してしまい、
会社全体としての力とはなりません。
このことは、野球やサッカーなどの団体競技を見ればよくわかります。
全員が勝利に向かって心を一つにしているチームと、各人が「個人タイトル」
という目標にしか向いていないチームとでは、力の差は歴然としています。
 

全員の力が同じ方向に結集したとき、何倍もの力となって驚くような成果を
生み出します。 1+1が5にも10にもなるのです。

稲盛和夫

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京セラフィロソフィ 独創性を重んじる

京セラは、創業の時から独創性を重んじ、人の模倣ではなく、
独自の技術で勝負してきました。

 
他社ができないといったものを喜んで受注し、全員が必死の努力で
これをつくり上げ、結果として独自の技術を次々に確率・蓄積してきたのです。
大河内記念生産特賞や科学技術庁長官賞を受賞し、京セラが大きく
飛躍するきっかけとなったマルチレイヤーパッケージの開発は、
まさにこのことを実証しています。

何としてもやり遂げなければという強い使命感をもち、
毎日毎日創意工夫を重ねていく、その一歩一歩の積み重ねが、
やがてすばらしい創造へとつながっていくのです。

稲盛和夫

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京セラフィロソフィ 信頼関係を築く

では、絆を強めるにはどうしたらいいのか
お互いに相手を知りあうということ、このことが、始まりであって終わりでもあります

 
信頼関係というのは、約束事や取り決めで築けるものではありません
そんなことではなくて、あの人と私は話をした、あの人とはこの前お酒を飲んだ
あの人は私を知っている、私もあの人を知っている、

そういう単純なことが信頼関係を築くベースなのです

もちろん、互いに尊敬しあうような高尚な関係もありますが、企業内においては
お互いを知りあうということが信頼関係の始まりであり、終わりでもある
それだけでいいのです

そのために一番いい方法が、車座になって酒を飲むということです
四角四面で話をしていても信頼関係は生まれませんが、ちょっとビールでも飲んで
「オイオイ、おまえ」というようなことを言うと、

相手は「社長はオレの名前を覚えていてくれたぞ」
と急に親しみを感じるようになる これが非常に大切なことなのです

稲盛和夫

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京セラフィロソフィ ガラス張りで経営する

京セラでは、信頼関係をベースとして経営が行われています。
そこでは、経理面をはじめ、すべてのことがオープンになっており、
何ら疑いをさしはさむ余地のないシステムが構築されています。
その一つの例として、(時間当り採算制度)では全部門の経営成績が
全社員に公開されています。


自分たちのアメーバの利益がいくらで、その内容はどうなのかが
誰にでも容易に理解できるようになっています。
一方、私たち一人一人も同じように心をひらき、オープンに仕事をすることを
求められています。
このように社内がガラス張りであることによって、私たちは全力で
仕事に取り組むことができるのです。

稲盛和夫

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京セラフィロソフィー 高い目標をもつ

創業時、京セラは間借りの社屋でスタートし、従業員が百人に満たない頃から、
「京セラは世界的視野に立って世界の京セラへ前進する」と言ってきました。
ちっぽけな会社でありながら世界に目を向けるということは、高く大きい
目標をもつということと同じです。

 
高い目標を設定する人には大きな成功が得られ、低い目標しかもたない人には
それなりの結果しか得られません。
自ら大きな目標を設定すれば、そこに向かってエネルギーを集中させることができ、
それが成功のカギとなるのです。
明るく大きな夢や目標を描いてこそ、想像もつかないような偉大なことが
成し遂げられるのです。

稲盛和夫

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京セラフィロソフィー 『宇宙の意志』と調和する心

世の中の現象を見ると、宇宙における物質の生成、生命の誕生、
そしてその進化の過程は偶然の産物ではなく、そこには必然性
があると考えざるを得ません。
この世には、すべてのものを進化発展させていく流れがあります。
これは「宇宙の意志」というべきものです。
この「宇宙の意志」は、愛と誠と調和に満ち満ちています。

そして私たち一人一人の思いが発するエネルギーと、この「宇宙の意志」とが
同調するのか、反発しあうのかによってその人の運命が決まってきます。
宇宙の流れと同調し、調和をするようなきれいな心で描く美しい
思いをもつことによって、運命も明るくひらけていくのです。

稲盛和夫

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京セラフィロソフィ 愛と誠と調和の心をベースとする

人生においても仕事においてもすばらしい結果を生み出すためには、
ものの考え方、心のあり方が決定的な役割を果たします。
人を成功に導くものは、愛と誠と調和という言葉であらわされる心です。


こうした心は、私たち人間がもともと魂のレベルでもっているもので、
「愛」とは他人の喜びを自分の喜びとする心であり、
「誠」とは世のため人のためになることを思う心、そして
「調和」とは自分だけでなくまわりの人々みんなが常に幸せに生きることを願う心です。
この愛と誠と調和を尊ぶ心から出てくる思いが、その人を成功に
導いていく基礎となるのです。

稲盛和夫

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京セラフィロソフィ きれいな心で願望を描く

きれいな心で描く願望でなければ、すばらしい成功は望めません。
強い願望であっても、それが私利私欲に端を発したものであるならば
一時的には成功をもたらすかもしれませんが、その成功は長続きしません。


世の道理に反した動機に基づく願望は、強ければ強いほど社会との
摩擦を生み、結果的には大きな失敗につながっていくのです。
成功を持続させるには、描く願望や情熱がきれいなものでなければ
なりません。
つまり、潜在意識に浸透させていく願望の質が問題となるわけです。
そして、純粋な願望をもって、ひたすら努力を続けることによって、
その願望は必ず実現できるのです。

稲盛和夫

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京セラフィロソフィ 素直な心をもつ

素直な心とは、自分自身のいたならさを認め、そこから努力するという
謙虚な姿勢のことです。
とかく能力のある人や気性の激しい人、我の強い人は、
往々にして人の意見を聞かず、たとえ聞いても反発するものです。


しかし本当に伸びる人は、素直な心をもって人の意見をよく聞き、
常に反省し、自分自身を見つめることのできる人です。
そうした素直な心でいると、その人の周囲にはやはり同じような心根を
もった人が集まってきて、ものごとがうまく運んでいくものです。
自分にとって耳の痛い言葉こそ、本当は自分を伸ばしてくれるもので
あると受け止める謙虚な姿勢が必要です。

稲盛和夫

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京セラフィロソフィ 常に謙虚であらねばならない

世の中が豊かになるに連れて、自己中心的な価値観をもち、
自己主張の強い人が増えてきたといわれています。
しかし、この考え方ではエゴとエゴの争いが生じ、チームワークを
必要とする仕事などできるはずはありません。


自分の能力やわずかな成功を鼻にかけ、傲慢不遜になるような
ことがあると、周囲の人たちの協力が得られないばかりか、
自分自身の成長の妨げにもなるのです。
そこで集団のベクトルを合わせ、良い雰囲気を保ちながらも
最も高い能率で職場を運営するためには、常にみんながいるから
自分が存在できるという認識のもとに、謙虚な姿勢をもち続ける
ことが大切です。

稲盛和夫

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京セラフィロソフィ 感謝の気持ちをもつ

社内に人の和がないと、お客様に喜んでいただけるものはつくれません。
なぜなら製品にはそれをつくる人の心が反映されているからです。
ところが「オレがオレが」といった利己的な考え方では、
社内に和をつくっていくことはできません。


私たちが今日あること、そして存分に働けることは、お客様や取引先は
もちろん、職場の仲間、家族といった周囲の多くの人々の支援が
あるからこそです。
決して自分たちだけでここまでこられたわけではありません。
このことを忘れず、常に周囲への感謝の気持ちをもち、
お互いに信じあえる仲間となって仕事を進めていくことが大切です。

稲盛和夫

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京セラフィロソフィ 常に明るく

どんな逆境にあっても、どんなに辛くても、常に明るい気持ちで
理想を掲げ、希望をもち続けながら一生懸命努力を重ねてきた結果が、
京セラの今日をつくったのです。
人生はすばらしく、希望に満ちています。


常に「私にはすばらしい人生がひらかれている」と思い続けることが大切です。
決して不平不満を言ったり、暗くうっとうしい気持ちをもったり、
ましてや人を恨んだり、憎んだり、妬んだりしてはいけません。
そういう思いをもつこと自体が人生を暗くするからです。
非常に単純なことですが、自分の未来に希望をいだいて明るく積極的に
行動していくことが、仕事や人生をより良くするための第一条件なのです。

稲盛和夫

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どんな娯楽もしれています やっぱり仕事がいちばん楽しいのです
仕事も、儲けようと思って、ただガムシャラにやるだけならしんどいのですが、

本当に気持ちが合う、助け合える素晴らしいパートナーが

十人、二十人いて、その人たちと毎日力を合わせて働ければ、

これほど楽しいものはありません

みんなが幸せになっていこうと、一生懸命に力を合わせて働く 

みんなが幸せになっていくのを見ながら、みんなに感謝をしながらやっていく
社長は従業員に感謝し、従業員は社長に感謝をしてくれるという関係で働く 

下手なボートに乗って釣れない釣りをするよりは、ずうっと楽しいと思います
ぜひ、自分の人生を仕事に賭けて、立派な会社にして頂きたい

稲盛和夫

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ですからいたずらに明日を煩ったり、将来のことに汲々とするよりも
まずは今日一日を充実させることにちからを注いだ方がいい
それが結局、夢を現実のものとする最善の道なのです
 

稲盛和夫

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京セラフィロソフィ

みなさんは社員の人たちに「頑張れ」と一生懸命に言うわけです
しかし、社員が稼いだその利益は、百パーセント経営者のものになります
株式を公開していない家業であれば、利益を上げるということは
百パーセント株主である経営者一族の財産が増えてゆくことになるわけです


そのために、資本家は労働者を搾取することによって、

自らの富を増やしてゆくという見方が生まれ
それが近代における資本主義社会での労使紛争の原因ともなってきました
このように、利益を上げること自体にうさんくささがあり、

アンフェアだと思われているために
「企業経営者は利益を追求することが目的ですからね」と言われてしまうのです
 

また、そう言われると、経営者自身も悪いことをした覚えはないのに
何か後ろめたい思いをしてしまう、これが実態だと思います

今まで自分を、しがない中小企業経営者だと卑下していましたが
塾長の話を聞いて、素晴らしいことをしているのだということを知りました

とおっしゃっています

一般には、経営者とは、自分自身の富を増やすために、

従業員を安い給料でこき使っていると思われがちでした

実際にはそうではありません 

自分が豊かになるために従業員を酷使しているのではなく
率先垂範、自分自身が骨身を惜しまず汗水を流し、経営に尽力することで
従業員とその家族を守りぬいているのです

稲盛和夫

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先ほどもお話ししたように、経営者である皆さんは、まさに人を助ける「利他行」という
素晴らしいことに日々つとめておられる方なのです
つまり、資本主義社会で一般に言われている経営者の定義とはまったく対極にあることを
私はこのような席で皆さんに話してきたわけです

稲盛和夫

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有意注意は、あらゆる状況の、どんな些細な事柄に対しても、

自分の意識を「意図的に」凝集させることです
有意注意とは、たとえていえば錐を使う行為に似ています
錐は力を先端の一点に凝集させることで効率よく目的を達成する道具です
 

その機能の中心は「集中力」にあります
錐のように全力で一つの目的に集中すれば、誰もが必ずことをなしうるはずです
そして集中力とは、思いの力の強さ、深さ、大きさから生み出されてくるものです
 

稲盛和夫
 

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私の考える会系の原理原則について、順にご説明をしていきます

(1)「1対1対応」の原則
 

モノ、お金の動きと伝票を一致させる
利益変動の原因はモノと伝票の不一致
品物が動くときには必ず伝票もついていく、また品物を買ったときには購買伝票がついていく


このような経理、会計の基本が抜けてはならないのです
意図的な経理操作を防止する 1対1の対応が厳格に守られていれば、

粉飾決算などの不正な経理操作も起こりようがないのです
売掛金買掛金の処理も「1対1の対応」
 

(2)筋肉質の経営に徹する
 

①不要な在庫を処分する 私は資産として評価できないものは

とことん処分していくようにしました
まずはリーダー自身がそのような在庫の管理を徹底的に行う
②実際の耐用年数で設備を償却する
③当座買いを徹底する
 

原材料をなるべくまとめて買うことが、商売人の賢いやり方だと言われています

しかし私は、その逆を経営でやってきました
たとえ高くても当座買いをしているため、原材料の在庫はその月に使う分しかありません
原材料が使い物にならなくなる心配もありませんし、余分な原料もないため大切に使います


また期末になれば、どの会社も原材料の棚卸で大変労力がいるのですが、

京セラにはその月の分の原材料しかありませんから、そのような労力もいりません
さらには、余分な仕入れ費用や倉庫での保管費用がいらなくなるために

銀行に頭を下げて借入し、お金を工面する必要もなくなります

④売掛金と買掛金を減らす 売掛金の回収も営業の責任になっています
⑤投機をしない 

私にとって利益とは、自らの額に汗して働いて得たものであって、

苦労せずに手に収めたものではありません ですから、株式などの投機的なことは一切しない 

これも筋肉質経営に徹するための大きな条件になります
 

(3)完璧主義の原則


経理も営業も、モノづくりと同じように、ちょっとしたミスで全部がパアになってしまうのだ

という意識を持たなければならないのです
常に有意注意で真剣に数字を見る習慣がついているものですから、

私にはそういうものがよく見えてくるのです
 

(4)ダブルチェックの原則


ダブルチェックとは、経理のみならず、

会社の中の人と組織の健全性を守る「保護メカニズム」です
ダブルチェックをすれば会社の業績向上に貢献するだけではなく、

人を罪に陥れるようなこともなくなると思い、それを徹底させてきました
 

(5)キャッシュベース経営の原則


私は「経営というものは難しく考える必要はありません 

売り上げを最大に、経費を最小にするだけでいいのです」と言っています

稲盛和夫

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同じ厳しい環境に置かれても、状況妄動型の人は、状況が悪いことを理解し
その結果自分の願望が無謀であったことを悟るだけですが


心の奥底から発し、信念にまで高まった願望を持っている人は
問題をいかに解決するかという創意工夫と努力を始めるのです


つまり、”状況は我に利あらず”と理解したときに、自分の願望を捨てる人と
つぎの瞬間から改めて勇気を奮い起こす人の違いです


人生において、素晴らしい歩みをしていく人と
挫折につぐ挫折を重ねていく人、また平々凡々と進む人、

その違いは、ここにあると思います
 

稲盛和夫

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原理原則に基づいた哲学をしっかりと定めて、それに沿って生きることは、

物事を成功へと導き、人生に大きな実りをもたらします
しかし、それは決しておもしろおかしい楽な道ではありません


哲学に準じて生きるということは、おこれを律し、縛っていくということであり、

むしろ苦しみを伴うことが多い

ときには「損をする」こともある苦難の道を行くことでもあります
 

稲盛和夫

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 このように、損をしてでも守るべき哲学、苦を承知で引き受けられる覚悟、

それが自分の中にあるかどうか
それこそが本物の生き方ができるかどうか、

成功の果実を得ることができるかどうかの分水嶺になるのではないでしょうか
 

稲盛和夫

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仕事が嫌で仕方がないと感じても、もう少しがんばってみる
腹をくくって前向きに取り組んでみる
それが人生を大きく変えることにつながるのです


そのときに大切なことは「自分に打ち勝つ」ことだといえるでしょう
つまり利己的な欲望を抑えること、自分を甘やかそうという心をいさめること


それができなければ何事も成し遂げることはできないし、

持てる能力を最大限に発揮することもできません
 

稲盛和夫

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経営に役立つコトバ集
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経営に役立つコトバ集 松下幸之助
経営に役立つコトバ集 稲盛和夫 京セラフィロソフィー

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