,

経営理念とは実行である

経営理念とは実行でありますが

まず、経営理念とは何か? のおさらいしておきましょう

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

①  経営理念とは、思い、考え方です


そして経営理念とは、実行です

つまり、経営理念 =思い、考え方 =実行といえます

②  そして、経営理念において大事な事は

「全従業員の物心両面の幸福と人類社会の進歩発展に貢献するということ」

稲盛和夫氏はこれ以外に経営の目的はないと言い切ります

③  経営の目的とは、

人間性の追求、

社会性の追求、

経済性の追求

という3つの側面があるということ

④ そして、経営理念とは利己から利他が大切であるということ

自分だけよければいいという利己の段階から、

世のため人のためという利他の思いを持つことが大切であるということ

はじめは自分が金持ちになるためだけに経営をしていても、

少しずつ利己を抑え、お客様のため、社員のため、

社会のためという利他の気持ちを持つことが大切ということ

⑤  そして経営理念には思い方の強さのレベルが3つあるということ

レベル1が、弱い思い

レベル2が、強い思い

レベル3が、信念にまで高まっているという強い思い、

そしてもう一つレベル0というものを足すとすると

レベル0 =無意識のレベルです


実は、この無意識のレベルでやっている事というのが、

社員や取引先、家族があなたを判断するものとなります

つまり、それがあなたの経営理念と思われるということなのです

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

■経営理念とは実行である

具体的にどういうことなのかといったものを 以下の4つの言葉で説明していきます

ユダヤの格言にこういうものがあります


「人を判断をするのに4つの尺度がある、時間、金、酒、女」


この4つの尺度を使って具体例なお話ししていきましょう


森信三先生の名言に

「時を守り、場を清め、礼を正す」という言葉があります


この言葉は、職場再建の3大原則といい、

どんな会社にも当てはまる素晴らしい経営理念であり、

原理原則であるといえるので、ぜひ覚えておいていただきたいと思います

例えば、「時を守り」という点について

「あなたはこの1年間1回も遅刻をしていないでしょうか?」

「イエス!」と答えた人もいれば

「どうかなぁ」という人もいて

「いや、まったくダメ」という人もいるかと思います

「1回も遅刻をしていない」と言い切れる人は、

実際に遅刻をしないのが事実であり、遅刻をしないという理念を持っている人なのです

「遅刻をした」という人は

「遅刻をする!」という強い経営理念を持っているわけではなく

無意識に、レベル0で、なんとなく、本人からすると仕方なく

時間を守らなくなっているのでしょう

ここがとても大切なところなので注意して聞いて欲しいのです


たとえあなたが、遅刻をしようと思っていなくても

実際に遅刻をすれば、相手はあなたを時間に遅れる人だと判断するわけです

つまり、あなたのとった行動が

この人は時間に遅れる人だと思われることになります

「ああ、あの人はよく時間に遅れる人だから・・・」という表現になるのです

言葉を変えると、相手は、あなたが時間に遅れるという理念・考えを持っていると判断することになるわけです

人は他人の言葉より、その人の行動からその人の人柄を敏感に察知します

たぶん、あなた自身にも、思い当たる節があるはずです

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

同じようにお金についても考えてみましょう

まず会社の例として

「あなたの会社は経常利益が何%ありますか?」

そして経常利益は何%にしようという強い意志を持っているでしょうか?


京セラの稲盛和夫氏はこう言います

「経営をするならば経常利益は最低でも10%は、なければならない」

この言葉には、経営をする上での強い意志、理念があるといえます


もし経常利益が5%で良いと思っているのであれば

口では10%がいいといっても、

実際に経常利益は5%となり、現実は違うわけです

これは何を表しているかというと、

あなたの心の中に無意識で経常利益は5%で良いという思いがあるということなのです

つまりレベル0 =無意識に、経常利益を5%にしようと思っている

または、黒字になればいいや、つまり0%でも良いと思っているということです

その思いが現実となって表れてくるのです

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

次に、お酒の例で考えてみましょう

コンパのルールを読んでいただきましたでしょうか?


経営理念の中に書いてあるコンパのルール15には

「止まるな動け 自分の席で偉そうに座り続けない 

上席者ほど自ら新入社員にお酒をついで回ること」 とあります

このコンパのルールこそが、考え方であり、経営理念といえるのです


実際によくあるのが、社長は自分の席でふんぞりかえり、

新入社員に酒をつがするというパターン


社長の頭の中では、レベル0=無意識に

新入社員が社長に酒を継ぐのが当たり前、

つまり年下が年上にお酒を作るものであるという意識があるのです

その結果、それを見た上席者=部長、課長もついでもらって当たり前となり

自分から年下の者にお酒を注ぐことがなくなります

強い信念として言葉に出すわけではないのですが

「それって当たり前だろ」と無意識に思っている

これが無意識のレベルでの理念、考え方になっているということです

こういったことは、会社での飲み会ではよくあることではないでしょうか?

実は私が昔、新入社員の頃こんな体験がありました

鈴木さん(仮称)は、私に「水割りを作れ!」と言い

田中さん(仮称)は、私に「水割りを作らなくてもいい」と言ったのです

社会人になったばかりの私は、混乱し、どうしたものかと困りました

酔った席での言い争いなので、どっちにしていいのかわかりません

しかし、まさにこれが、鈴木さんと田中さんの考え方の違いであり

価値観の違い、理念の違いだったのです

鈴木さんは、

「君は新入社員なのだから、年上の人に対して敬意を持って水割りを作るべきだ」

と言ったのだと思います


そして、田中さんは

「君はまだ新入社員なのだから、歓迎される側であって、お酒を作らなくても良いのではないか」

という考え方だったのだと思います

どちらかが絶対に正しい、というわけではないのです

考え方の違いなのです


しかし、現実には、このようにお酒の席でも、

その人の考え方、価値観、理念が言葉や行動となって表れてくるのです

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


そして最後に、皆さんが1番知りたい「女」のことについて

例えば、御社では社内で不倫が起こった場合に

どのような措置が取られるのでしょうか?


それは会社によって対応が様々なのかもしれません

ある会社では、そのまま黙って見過ごすでしょうし

ある会社では、女性を移動させることもあるでしょう


またある会社では、男性を移動させて、女性をやめさせる

といったような対応になるかもしれません


つまり、こういった人事異動、社内での対応の仕方の中に

考え方、価値観、理念が現れてくるということなのです

特に女性問題や人事異動にこそ、

その会社の経営理念がとてもわかりやすく表れるといっていいのかもしれません


あなたの会社ではどうでしょうか?

社内での男女間の問題が起こった場合の、明確なルールが決められているでしょうか?


「まあ、まあ、まあ・・・そのあたりはご内聞に」とか

「あまり騒ぎ立てなどせずに、ナイショでうまくやれ!」という会社もあるかもしれません

しかし、これこそが、社長が持っている経営理念の表れといえるのです

こういった事は経営理念手帳や書いてあったり

壁に貼ってある額縁の中に書いてあったりはしません

しかし、その問題に対する会社の処置を通じて、

社員は社長の考え、理念を敏感に察知し、判断することになるのです

「あぁ、こういう場合には、こうなるんだ・・・」と


つまり、経営理念とは実行において判断されるものであり

逆にいうと、実行こそが経営理念の表れなのだといえるのです


経営理念 =考え方、思い =実行ということがご理解いただけましたでしょうか?

「経営理念とは、実行」なのです

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

そして、もう一つ

経営の目的の中に、「経済性の追求」があるように

経営を語る上で会計は外すことができません

経営とは数字で見るものなので、経営理念の中には

会計という項目が必然的に入ることになります

例えば、ある会社の売り上げが1億円あるとします

そして在庫が同じように1億円分あるとすれば、

その1億円の在庫をなくすのに約1年かかることになります

業界や商品によって適正在庫は違ってきますが、

あなたの会社ではどうでしょうか?

例えば、在庫は1ヶ月分しか持たないという強い経営理念を持っている会社は

実際に在庫が1ヶ月分に近づいていきます

なぜなら、そう思っているからです

経営理念があるからです

しかし、適正な在庫の量について強い意志がなく、

レベル0 =無意識のレベルでやっているのであれば、

6ヶ月から1年分の在庫があることになっていきます


「そうなんですよね、在庫を減らさないといけないと思っているんですけれども…」

という経営者はとても多いのです

 
その人は、在庫が多くて良いとは思っていないが、

強い意志を持っていないため、実際には在庫が1年分となる


つまり、強い意志を持って在庫を1年分持っているわけではないのだが、

結果的にそうなっているので

在庫を1年分持っていいという経営理念を持っているともいえるのです


経営において、

経常利益は10%以上にする、

粗利率は50%以上にする、

在庫は1ヶ月分以内にする、

無借金経営を目指す、

業界平均の120%の給料を社員に払う、

といったような経済的側面における強い考え方を持てば、

それが経営理念となるのです


そして、仮に

「私には経営理念がないのです」と言ったとしても、

結果的に出ている経常利益率、粗利率、在庫の量、借り入れの額というものが

あなたの経営理念をそのまま表していると考えればわかりやすいのかもしれません

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

逆に言えば、どんなにキレイな経営理念をつくっても

実際に行っていることがキレイでないならば

キレイでない経営理念を持っているともいえるのです

ここで稲盛和夫氏が説く京セラ会計学から「一対一対応の原則」を引用してみましょう

一対一対応の原則

経営をしていると、必ずモノとお金が動きます。

モノ・金を動かすときには、それを示す伝票を

必ず一対一で対応させて処理しなければなりません。

これは会計では当たり前に守るべき原理原則ですが、

守られないことが多いので強調しています。

たとえ大企業であっても、数字を操作して決算書を作ることがしばしばあります。

しかし一対一対応の原則が守られていれば、数字を操作することはできません。

モノと伝票が必ず対になって動くわけですから、

数字を操作することができず、事実を正確に表すのです。

 「一対一対応の原則」は、売掛金・買掛金の入金・支払の消し込みや、

売上と仕入れなど、多くの分野で用いられています。

政財界で腐敗が起きている今の時期だからこそ、

一対一対応の原則を順守する重要性を強調しておきます。

というように、会計についての原理原則を守るように経営理念の中にいれています

■経営理念についての誤解

経営理念について多くの人が誤解していることの一つに

経営理念は作ればいいと思っていることがあります

キレイな経営理念、読むと美しく聞こえる経営理念、

カッコいい経営理念をつくることに神経を注ぐのです

しかし、そこにはあまり意味はありません

響きのいい空理空論ばかり並べても会社は良くならないからです

そうではなく、経営理念とは実務に即していることです

毎日の仕事に生かせることです

毎日の仕事の中で、判断に悩んだときに答えとなるものです

だから、経営理念とは実行なのです

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

東芝、タカタ、三菱自動車、三井物産、大和銀行など超優良企業と言われる会社の不祥事が後を絶ちません

不祥事をしろと経営理念でいっているわけではないのですが

「このくらいならいいだろう」

「なにもそんなに細かいことを・・・」

「黙っていればわからないさ」

という小さな心のゆるみが大きな不祥事へと発展していきます

「フィロソフィは血肉化しなければ意味がない」と稲盛和夫氏は言います

知っていても、やらなければ、知らないのと同じです

つまり、フィロソフィ=経営理念とは、実行して初めて意味があるのであり

実行していることが、フィロソフィ=経営理念となるのです

思考することが行動に表れ

行動していることは思考の表れなのです

なので、ここではあえて

「経営理念とは実行であり

実行していることが経営理念である」

と言いきってみました

いかがでしょうか?

社長であるあなたは、そう思いませんでしょうか?

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

■経営理念


経営理念の意味がわからなかった

でも、経営理念ドットコムをみて
とても勉強になったという方に会いました

盛和塾で隣に座った方です

経営理念とはどこかにあるものではなく
毎日の中にあるものだと気付いたそうです

バイキングの朝食をとるときに
和食の人もいれば洋食の人もいる

ご飯を食べて、パンを食べる人もいる
ある席を選ぶ・・・

すべて自分で選択したものであり
それこそが価値観の表れです

自分では気づかないかもしれませんが
考え方、価値観、こころの表れなのです

それを言葉にしてゆくのが理念です

経営理念がないと思う人もいますが
そうではありません

実は、自分で気づかないけど
持っているものなのです

そして、実行していることが経営理念なのです


もちろん自分が成長すれば
会社の価値観も変化する

つまり、あなたの成長が理念の変化であり
会社の成長となるのです

理念とはどこか遠くにあるものではなく
いま、ここにあるものなのです

そして、あなたの行動そのものが経営理念を表しているのです

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

経営理念のつくり方がわかならないあなたへ

経営理念とは実行である

経営理念のつくり方

経営理念のつくり方 価値観編

経営理念とは哲学である

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

お問合せ・ご相談はこちら

ご不明点などございましたら、

メールにてお気軽にご相談ください。